【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「今の奥様に、余計な心配はかけられません。なので、今はお教え出来ません」
「……それ、は」
「今の奥様は、いわば病弱な状態です。こんなときに余計な心配など、かけられませんから」

 肩をすくめてそういうサイラスは、何となく温かいような目をしていた。……私とクレアが、浮気を疑ったことを責めてもいないような目にも、見えてしまう。

「しかしまぁ、旦那様が言葉足らずだったのも、認めましょう。浮気を疑われても、仕方がありませんねぇ、これじゃあ」
「……おい」
「ですが、クレア。考えてもみてください。旦那様に浮気をするような度胸がおありとお思いで?」
「あ、ないですね」
「……お前たち」

 クレアがあっけらかんとサイラスの言葉に返答すれば、旦那様が執務机に突っ伏してしまわれた。

 もしかしたら、度胸がないと言われたことにショックを受けられたのかもしれない。

 そう思うからこそ、私は旦那様の方に近づいていく。

「申し訳ございません、浮気なんて、疑ってしまって……」

 眉を下げて、頭を下げて。私ははっきりと謝罪の言葉を口にする。

 すると、旦那様はゆっくりと顔を上げられた。その目の下には、はっきりとした隈がある。……お仕事が忙しいのね。

「いや、俺も言葉足らずだったな。……シェリルを不安にさせてしまったこと、反省する」
「……そんな」
「思えば、俺は浮気を疑われてもおかしくないような行動をしてしまっていた。……本当に、悪かった」
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