【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「そこで、俺は散々教えられた噂が本当のことだったと、知ったんだ」
視線を下げる。あのときのことは、鮮明に記憶に残っている。アネットがほかの男と仲睦まじく歩いていて、微笑み合っていて――俺は、確かに傷ついたのだ。
「……なんていうか、複雑だったな」
ショックを受けたのは確かなのに。俺は心の奥底で何処か納得している部分もあった。
「それからしばらくして、アネットは俺に婚約の破棄を告げてきた。曰く、俺はつまらなくて、面白くない。すっかりと飽きてしまったそうだ」
苦笑を浮かべて、俺はそう言葉を口にする。
あれは、名のある王都の貴族邸で開かれたパーティーの際中だったかな。アネットは俺がいることに驚いて、動揺していた。でも、しばらくして俺に婚約の破棄を告げた。
「今思えば、あれくらいで傷つくんて俺も軟弱だったな」
苦笑浮かべて、シェリルを見つめる。シェリルは、俺よりもずっと強かった。婚約関係を解消されても、全然挫けなかった。
ただ強かに、生きようとしていた。そんなシェリルだから、俺は惚れたのだろう。
「その後は、シェリルの知っている通りだ。女性不信を拗らせた俺は、新しい婚約者を作ることもなく、ただ仕事に打ち込んだ」
結果的に、辺境伯としての立場は確たるものになった。ただ、俺の心の中にはいつもアネットの言葉があって。
……どれだけ頑張っても、称賛されても、心が満たされることはなかった。
「俺はつまらない人間だ。そんな言葉が、胸の中に突き刺さって、消えてくれなかった」
渇いた笑いを零す。そうしていれば、シェリルが俯いているのが視界に入った。……なんだか、辛そうな表情だと思った。
「シェリル」
だから、俺はシェリルの肩を抱き寄せる。微かに震えた身体。……彼女は、一体何を考えているのか。
浅はかなことに、俺はそれを知りたいと思ってしまった。
視線を下げる。あのときのことは、鮮明に記憶に残っている。アネットがほかの男と仲睦まじく歩いていて、微笑み合っていて――俺は、確かに傷ついたのだ。
「……なんていうか、複雑だったな」
ショックを受けたのは確かなのに。俺は心の奥底で何処か納得している部分もあった。
「それからしばらくして、アネットは俺に婚約の破棄を告げてきた。曰く、俺はつまらなくて、面白くない。すっかりと飽きてしまったそうだ」
苦笑を浮かべて、俺はそう言葉を口にする。
あれは、名のある王都の貴族邸で開かれたパーティーの際中だったかな。アネットは俺がいることに驚いて、動揺していた。でも、しばらくして俺に婚約の破棄を告げた。
「今思えば、あれくらいで傷つくんて俺も軟弱だったな」
苦笑浮かべて、シェリルを見つめる。シェリルは、俺よりもずっと強かった。婚約関係を解消されても、全然挫けなかった。
ただ強かに、生きようとしていた。そんなシェリルだから、俺は惚れたのだろう。
「その後は、シェリルの知っている通りだ。女性不信を拗らせた俺は、新しい婚約者を作ることもなく、ただ仕事に打ち込んだ」
結果的に、辺境伯としての立場は確たるものになった。ただ、俺の心の中にはいつもアネットの言葉があって。
……どれだけ頑張っても、称賛されても、心が満たされることはなかった。
「俺はつまらない人間だ。そんな言葉が、胸の中に突き刺さって、消えてくれなかった」
渇いた笑いを零す。そうしていれば、シェリルが俯いているのが視界に入った。……なんだか、辛そうな表情だと思った。
「シェリル」
だから、俺はシェリルの肩を抱き寄せる。微かに震えた身体。……彼女は、一体何を考えているのか。
浅はかなことに、俺はそれを知りたいと思ってしまった。