【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第17話 妬ましい
「アネット様。本日は、お時間を作っていただき、誠にありがとうございます」

 私はそう言って頭を下げる。私の目の前で、ソファーに腰掛けるアネット様。その目は私を強く睨みつけており、警戒心がとても強いことは私にもよくわかった。

「……あなた、一体どういうつもりなの?」

 アネット様が、私にそう声をかけてこられる。

 ……どういうつもり。

「私にも、それはわかりません」

 ゆるゆると首を横に振って、アネット様の言葉に答える。

 実際、そうなのだ。……私が感じていることは不確定なことで、現実味なんて帯びちゃいないんだから。

「ただ、私はアネット様のことが知りたいのです」

 まっすぐに彼女を見つめた。瞬間、彼女の目の奥が揺れた。……もしかしたら、不快にさせてしまったのかもしれない。十以上も年下の小娘に、こんなことを言われて……。

「多分、不快だと思います。だけど、私は……」

 言葉が続かなかった。

 理由なんて一つ。……言葉が、出なかったのだ。

「私は、どうしたの?」

 余裕たっぷりに、アネット様がそう問いかけてこられる。……喉が震えて、声が出ない。

 ぎゅっと手のひらを握りしめれば、アネット様は「はぁ」とため息をつかれた。

「所詮、偽善でしょうに。それとも、自分は愛されているのだっていう、自慢?」

 ソファーの背もたれに背中を預けて、アネット様がそう尋ねてこられた。

 ……違う。
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