【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「……だが、シェリル、さすがにこんなところで寝るのは身体に悪いぞ」
「……ん」
彼のおっしゃっていることは、わかる。正論であるということも。でも、もう指一本動かすのも辛くて、しんどくて。
「……運んで、ください」
こういうときくらい、甘えてもいいだろう。そう思って、私はうっすらと目を開けて旦那様にそう言ってみる。
ほんの少し、狼狽えた彼が面白い。
「あのな、シェリル……」
「……お願い、です」
重苦しい腕を旦那様の首に回して、甘えるようにその胸に頬を寄せる。……頭の上から「仕方がないな」という声が聞こえてきた。
「……次からは、初めから寝台で横になるんだぞ」
身体がふわりと浮くと同時に、旦那様がそうお小言を飛ばしてこられる。なので、こくんと首を縦に振った。
(というか、少しお話しがしたかったの……)
ここ最近、私と旦那様はろくに会話が出来ていない。昼間は私が訓練に明け暮れ、夜はすぐに眠ってしまうから。
ソファーにいれば、寝入ったりしないだろうと思って待っていたのだけれど。どうやら、私の睡魔はそれを凌駕していたらしい。うとうととしてしまうし、頭の中はぼうっとしている。
宙に浮いていた身体が、ふかふかの寝台に横たわるのがわかった。身体の上に毛布がかけられる。……私は、その毛布をぎゅっと握った。
「……旦那様」
目を開いて、私のことを見つめる旦那様に声をかける。彼は「どうした?」と返してくださった。
「……私、ここに来たばかりの頃のこと、思い出しちゃいました」
リスター家に来たばかりの頃。私は倒れた。その際、旦那様は甲斐甲斐しくお見舞いに来てくださって……。
「……ん」
彼のおっしゃっていることは、わかる。正論であるということも。でも、もう指一本動かすのも辛くて、しんどくて。
「……運んで、ください」
こういうときくらい、甘えてもいいだろう。そう思って、私はうっすらと目を開けて旦那様にそう言ってみる。
ほんの少し、狼狽えた彼が面白い。
「あのな、シェリル……」
「……お願い、です」
重苦しい腕を旦那様の首に回して、甘えるようにその胸に頬を寄せる。……頭の上から「仕方がないな」という声が聞こえてきた。
「……次からは、初めから寝台で横になるんだぞ」
身体がふわりと浮くと同時に、旦那様がそうお小言を飛ばしてこられる。なので、こくんと首を縦に振った。
(というか、少しお話しがしたかったの……)
ここ最近、私と旦那様はろくに会話が出来ていない。昼間は私が訓練に明け暮れ、夜はすぐに眠ってしまうから。
ソファーにいれば、寝入ったりしないだろうと思って待っていたのだけれど。どうやら、私の睡魔はそれを凌駕していたらしい。うとうととしてしまうし、頭の中はぼうっとしている。
宙に浮いていた身体が、ふかふかの寝台に横たわるのがわかった。身体の上に毛布がかけられる。……私は、その毛布をぎゅっと握った。
「……旦那様」
目を開いて、私のことを見つめる旦那様に声をかける。彼は「どうした?」と返してくださった。
「……私、ここに来たばかりの頃のこと、思い出しちゃいました」
リスター家に来たばかりの頃。私は倒れた。その際、旦那様は甲斐甲斐しくお見舞いに来てくださって……。