セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
 病院を出る前に自分で直したメイクは落としてしまい、プロの手で改めてメイクをしてもらう。

 さすがはプロと言うべきだろうか。いつもは薄化粧で平凡にしか見えない顔が、彼女の手によってグンと華やかになった。

 鮮やかな色みの口紅は少しのオレンジを含んでいて、表情が自然と明るい印象に。同系色のチークもその効果を補助している。

 一方で、淡いブラウン系でまとめられた目元は、派手になりすぎるのを抑えている。

 全体で見ると華やかさと淑やかさを兼ね合わせたような美しい仕上がりだ。

 自分の顔ながらも思わず見惚れていると、今度はヘアアレンジが始まる。

 しかしながら、志歩の髪型はショートボブ。できることは随分とかぎられているはずだ。

 メイクほど大きな変化はないだろう。そう思った志歩だが、仕上がりを見てみると、いつもの雰囲気とはまるきり変わっていた。

 あの短い髪をどう操ったのか編み込みのハーフアップが出来上がっている。編み込みのカーブがとてもやわらかな印象を与え、女性らしさを引き立ててくれる。下ろしている部分も巻いてふわふわとはしているが、そもそもの長さが短いから、ショートボブのすっきりとした印象も残っている。

 あまりにきれいに仕上げてもらって、自然と嬉しさを覚えるが、このヘアメイクはどう見てもパーティー用だ。一応、きれいめの服を着て来てはいるが、さすがにこれだと顔だけが浮いてしまっている。

 服装は何でもいいと言われていたが、これほどのヘアメイクをするならば、絶対にドレスが必要だっただろう。

 いったいどうしたものかと頭を悩ませていれば、この場に現れた別の女性スタッフがその問題を解決してくれる。
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