セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
 悟のエスコートで連れられて来たのは随分と広い宴会場。会場奥の中央には壇上が設けられており、その上には横断幕が掲げられている。

「……百五十周年記念パーティー?」

 横断幕の文字を読み上げた志歩に、悟が「そうだよ」と頷く。悟はあまりに自然に答えているが、これは事前の話と随分違うのではないだろうか。清塚グループの百五十周年記念パーティーがちょっとした祝い事なわけがない。

 何の覚悟もしていない状態でこんな場に連れて来られて、志歩は軽くめまいを覚える。悟にどういうことなのかと今すぐ問いただしたかったが、開会の挨拶が始まったことでそのタイミングは失われてしまった。

 皆、壇上に注目している。志歩も悟の隣に立ち、司会による開会の挨拶、および、悟の父による主催者挨拶に耳を傾ける。

 悟の父から語られるのは清塚グループの歴史。その重みに志歩は一人萎縮する。今の自分はどう考えても場違いとしか思えない。志歩はほんの少しだけ悟の陰に身を隠しながら、悟の父の言葉を聞いていた。
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