セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
 キングサイズのベッドのどちらかといえば端よりに並んで横になる。

 これだけ大きければ、二人の間にはかなりの距離があり、一緒に寝ているという感覚はとても薄い。

 これならばそこまで緊張せずに済むだろう。

 悟が明かりを消したところで、ゆっくりと瞼を閉じようとすれば、横から優しい声が届く。

「おやすみ、志歩さん」
「おやすみなさい」

 誰かと『おやすみ』を言い合うのはいつ以来だろうか。いや、きっと事故の日以来なのだろう。

 けれど、今の志歩にとっては随分と久方ぶりのことだった。俊也はそんな簡単なやり取りすらしてくれなくなっていたのだから。

 本当に何年かぶりの感覚を味わい、志歩は不思議と温かな気持ちを抱きながら、眠りについた。
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