セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
 久しぶりに電車で移動し、目的地に到着した志歩は都会の中に佇む一つのビルを見上げる。

 そこは入口からすでに高級感が溢れていて、志歩は自然と背筋を伸ばした。

「ここがプルモンド」

 志歩が訪れたのはホテルプルモンド。悟が経営しているホテルだ。

 ここに来れば悟のことを知ることができるような気がして、ついつい足を運んでしまった。

 もちろん社長である悟が現場にいないことはわかっているが、彼がどういうホテルを作っているのか、それを見てみたかった。

 とはいえ、予約をしているわけでもないから中には入りづらい。

 外から少し様子だけ見てみようかと思ったものの、ドアマンが立っていて、下手に覗くこともできない。

 どうしようかと迷っていたら、後ろからやって来た人の流れに押されて、うっかり中へと入ってしまった。

 入口を通過してから振り返ってももう遅い。このまますぐに出てしまえば、不審者にしかならないだろう。

 ならば、ロビーだけでも満喫するかと、志歩は改めてホテルの中へと目を向けた。

 大理石の床が続くロビーはとても広々としていて開放的。天井にある豪奢なシャンデリアの光が床に反射して輝いている。

 壁に沿うように設置されたソファーは、カバーが皺なくピシっと張られていてとても清潔感がある。

 奥にある受付カウンターでは、所作の美しいスタッフらが客の対応に当たっていて、その様を見ただけで、ここが一流ホテルだとわかった。

 品があって美しい空間に、志歩は惚れ惚れとしながら、奥へと歩みを進める。

 きれいに磨かれた床の上をコツコツと歩いていけば、さらに開けた空間が現れた。
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