セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
 部屋に一人になった志歩はソファーから立ち上がり、室内を見て回る。

 調度品やバスアメニティーなど、どれもデザインが美しいから、見ているだけでも楽しい。きっと一級品と言われるものに違いない。

 それは室内のものだけではなくて、窓からの景色もそうだ。窓の外には見事なシティービューが広がっている。

 本当に贅沢な部屋だ。

 なんだか、このホテルにしろ、自宅のマンションにしろ、志歩が生きてきた世界とはあまりにも格が違うと感じる。悟といると、いつも自分の暮らしとはほど遠い場所へやって来たような気持ちになってしまうのだ。

 夢の中にいると言われた方が納得できそうなくらいに。

 志歩はソファーへと戻ると、もう一生分の贅沢を味わっているのではないだろうかと思いながら、豪奢な部屋でゆったりと過ごした。

 しかしながら、その贅沢の上限は、次のスパであっさりと更新される。

 高級ホテルのスパなど初体験で、志歩はそれなりに緊張して施設へと向かったが、プロの施術を前にそんな緊張はあっという間にどこかへと消え去った。

 アロマオイルの爽やかな香りが心を落ち着け、ほどよいマッサージが体の力を抜いていく。ここが天国ではないかと思ってしまいそうなほどの心地よさを味わう。そうして志歩はいつの間にやら深い眠りへと落ちていた。

 施術が終わった頃には、まるで生まれ変わったかのように体が軽くなっており、それはそれは大きな感動を覚えた。

 ここしばらくはずっと家にいたから、大して疲れていないと思っていたが、実際は気を張って疲れていたのだろう。でないとここまでの変化は感じないはずだ。

 もしかしたら悟は志歩のそんな状態に気づいていて、スパを勧めてくれたのかもしれない。

 悟がもたらす時間はいつも非日常的で、驚きばかりが大きくなるが、今日はホテルという特別な場所のためか、非日常的な空間に浸るのも些か心地よかった。
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