セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
 昼休憩の時間になり、社員食堂で一人昼食を取っていれば、向かいから見知った顔がやって来た。

「志歩、お疲れ」

 そう言いながら志歩の向かいに座るのは、同僚の新沼(にいぬま)加奈(かな)。彼女とはなんだかんだと気が合い、プライベートでも一緒に過ごすほど。今や友人と呼べる間柄だ。

「ん、加奈。お疲れ。相変わらずすごい量食べるね」
「食べないと体力持たないからね」
「それは確かにそう」

 患者の介助が必要なこともあるから、体力はしっかりとつけておかなければならない。

 志歩も食事は一日三食しっかりと取り、日々の運動も欠かさないようにしている。体力と筋力の維持にはそれなりに注意を払っているのだ。

「志歩もしっかり食べなよ。休んでた分、体力落ちてるかもしれないんだから。でも、仕事は全然問題なさそうだよね」
「そうだね。患者さんのこと忘れてしまってるのは申し訳ないけど、この仕事のことを忘れたわけじゃないからね」
「志歩はこの仕事好きだもんね。復帰できて本当によかったよ」

 志歩のことを心配してくれていたのだろう。加奈の気持ちに心を温めながら、「ありがとう」と返した。
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