セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
朝のカンファレンスを終え、担当患者のもとへ今日のリハビリメニューを伝えに行く志歩。
元気よく挨拶をすれば、担当患者の藤堂が嬉しそうに笑って、志歩になにやら手渡してくる。
「志歩ちゃん、これ見て。ようやく一つ折れたのよ」
「藤堂さん、すごい! 立派な折り鶴ですね。これ折るの大変だったでしょう」
志歩の手に乗っているのは赤い折り紙で折られた鶴。ずれている部分はあれど、ちゃんと鶴の形を保っている。
彼女は交通事故の影響で左上肢に麻痺があるから、この折り紙一つでさえ難しかったはずだ。
「そうね。手が思うように動かないってのもあるんだけど、なんだか紙を持っている感覚が鈍くて、そのせいで上手く折れない感じがするのよね」
「指先の感覚が以前とは違うって仰ってましたもんね。もしかしたら紙の材質や厚さで、折りやすさが変わってくるかも。折りやすい紙を探してみましょうか」
「ありがとう。いつも志歩ちゃんがちゃんと話を聞いてくれるから、私、すごく助かってるのよ。本当にありがとう」
「いえ。気になることは何でも仰ってくださいね」
嬉しそうに微笑む藤堂に胸が温かくなる。この仕事をしていて、嬉しい瞬間の一つだ。
患者はつらいリハビリを長い期間続けていくことになる。そんな彼らに少しでも喜びや希望を与えてあげたい。その思いを胸に、いつも患者に寄り添っている。
そして、そんな思いが報われたならば、それ以上の喜びはない。
志歩はやはりこの仕事が好きだなと改めて強く実感した。
元気よく挨拶をすれば、担当患者の藤堂が嬉しそうに笑って、志歩になにやら手渡してくる。
「志歩ちゃん、これ見て。ようやく一つ折れたのよ」
「藤堂さん、すごい! 立派な折り鶴ですね。これ折るの大変だったでしょう」
志歩の手に乗っているのは赤い折り紙で折られた鶴。ずれている部分はあれど、ちゃんと鶴の形を保っている。
彼女は交通事故の影響で左上肢に麻痺があるから、この折り紙一つでさえ難しかったはずだ。
「そうね。手が思うように動かないってのもあるんだけど、なんだか紙を持っている感覚が鈍くて、そのせいで上手く折れない感じがするのよね」
「指先の感覚が以前とは違うって仰ってましたもんね。もしかしたら紙の材質や厚さで、折りやすさが変わってくるかも。折りやすい紙を探してみましょうか」
「ありがとう。いつも志歩ちゃんがちゃんと話を聞いてくれるから、私、すごく助かってるのよ。本当にありがとう」
「いえ。気になることは何でも仰ってくださいね」
嬉しそうに微笑む藤堂に胸が温かくなる。この仕事をしていて、嬉しい瞬間の一つだ。
患者はつらいリハビリを長い期間続けていくことになる。そんな彼らに少しでも喜びや希望を与えてあげたい。その思いを胸に、いつも患者に寄り添っている。
そして、そんな思いが報われたならば、それ以上の喜びはない。
志歩はやはりこの仕事が好きだなと改めて強く実感した。