セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
 マンションの駐車場に到着し、悟がエンジンを切ったところで、志歩は今日の礼を改めて口にする。

「悟さん、今日はありがとうございます。久枝さんに会えて嬉しかったです」
「こちらこそ、ありがとう。久枝さんも本当に喜んでいたよ」

 志歩と悟は微笑みを浮かべて頷き合う。久枝が喜んでくれたことはちゃんと志歩にも伝わっている。また会いましょうと次の約束までしたのだから。

 志歩は久枝のことを思い浮かべながら、今日彼女に言われたことを悟にも伝える。

「あの、実は今日、久枝さんに言われたんです。また悟さんと絆を作っていきなさいって」
「そう。僕もそう思うよ。志歩さんと絆を作っていきたい」
「私も、もっと悟さんと向き合っていきたい。少しずつかもしれないけど、悟さんと夫婦になっていきたいんです」
「志歩さん……」

 悟は目を見開いて志歩を見つめている。なかなか志歩からは悟との距離を縮められないでいたから、志歩の言葉に驚いたのだろう。

 でも、その言葉は嘘ではない。久枝に背中を押してもらった今は、大きく一歩前へと進みたいと思っている。

「今日からまたよろしくお願いします。私ともう一度恋を始めてください」

 軽く頭を下げながら願い出れば、志歩の体は突然温かくて硬いものに包み込まれた。
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