セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
 挨拶をして、席を立とうとする志歩に、久枝は真剣な顔をして語りかけてくる。

「志歩さん。今のあなたには悟と夫婦だという感覚はないのでしょうけど、間違いなくあなたたちは夫婦だから、しっかり悟に頼りなさい。不安なことはあの子にぶつけて大丈夫。それを受け止めるくらいの度量はあの子にもあるから」

 悟にまだ遠慮していることを久枝はきっと見抜いたのだろう。そして、志歩の背中を押してくれている。

「はい。ちゃんと悟さんにも頼ります」
「これから長い時間を一緒に過ごすのだから、またゆっくり悟と絆を作っていきなさい。夫婦というものはね、契りを交わしたからと言ってなれるものではないのよ。たくさんの時間と想いを共有して、少しずつなっていくものなの。だから、大丈夫よ」

 志歩はもう一度「はい」と強く頷いた。

 深く深く志歩の心に響いた久枝の言葉は、志歩に一つの決意を固めさせた。
< 63 / 173 >

この作品をシェア

pagetop