俺様御曹司は姉御肌で破天荒な美女を堕とせるか?
その夜帰ったら祖母は起きていて、話があるから優依を待っていたといってにこにこと機嫌がよかった。

「実はね、優依ちゃん。
おばあちゃんここを出て高齢者施設に
入ろうと思うの。とてもいい所を
研吾さんが見つけてくれたのよ。
この家を売ってしまおうと思って
いたんだけど売らなくても何とか
なりそうで、優依ちゃんがこの家を売って
独り暮らしするのに中古のマンションでも
買うなら売ってしまっていいのよ」

「ええっ、おばあちゃん急に何言ってるの」

「ずっと考えてたのよ。
おばあちゃんはこの家に未練はないの。
もう足腰も弱くなって医者に行くにもいつも
タクシ―頼まないと行けなくて…
でも優依ちゃんに相談したら絶対反対する
でしょう?だから厚かましいと思ったけど
研吾さんに相談したら本当に親身になって
くれてとてもいい施設を紹介してくれたのよ。
結城グループって何でもやってるのね。
担当の人が本当にいい人でね おばあちゃん
その施設が気に入ったのよ。
今度優依ちゃんも一緒に見に行ってくれない」

「おばあちゃんごめんね。
優依はおばあちゃんに何もしてあげられない。
会社を辞めて一緒に居たら食べていけないし
働いていたらその間おばあちゃんを独りに
してしまうし、そんなに足腰弱ってるなんて
知らなかった。
それなのにいつも優依の食事の支度から
家の事まで全部やってもらっていて
何もわかってなくてごめん。
相談もできなかったんだよね。
頼りない孫でごめん。
今まで育ててもらったのに何の恩返しも
出来なくてごめん」

話を聞きながら優依は涙を流していた。
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