【企】SNOW KISS




大好きな拓真は、いわゆる人気者だ。


昔は小さかった背も、今では随分と成長し、175センチという背丈になった。

そしてスラッと伸びる手足。
ほどよくついた筋肉。

運動神経抜群で、勉強もできる。


それなのに気取らない性格で、明るくて周りを盛り上げる彼は男子からはもちろん、女子からも人気だった。


拓真の事を好きな人も何人かいるとか。




あたしは拓真から恋愛の相談をされる事がしょっちゅうだ。


「告白されたんだけどさ〜、俺どうしたらいいんかな?」


「優衣はどう思う?」


とか、いつもこんな感じだった。


恋愛相談される度に胸が締め付けられる。
と同時に、拓真はあたしのことを恋愛対象として見てないから相談してくるんだって。

相談される度に突きつけられる現実に、泣きたくなることも多い。


だけど、大好きな拓真の話を聞かないわけにはいかない。


そんなある日、拓真がふいに呟いたの。


“告白しようかな…”って。



独り言のようにポツリと呟いた拓真の言葉を、あたしは聞き逃さなかった。






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