縁はいなもの?味なもの?
🐝🐝

「病院いくか?」
珍しく武が心配そうに顔をしかめて聞いてくる。
「な、なんかさ病院行っても湿布くらいでしょ
患部を冷やして寝とく」

「は?行けよ」

「行かない、座って待つのが辛すぎるイタタタタ」
確かにこの様子じゃ無理かもしれない
車に乗せるのも一苦労、特に大騒ぎするし
「仕方ない、俺の部屋に寝かせて面倒みるしかないか!
間借りにも婚約者だし」

ぎっくり腰は1週間は痛いらしいし
「しかたねー」

たけしは諦め態度でボソッと呟いたがその呟きは加奈にも聞こえていた

「え💢?私の部屋に帰るよ
武の世話にはならない!」

「無理だろ、ひとりじゃ動けないくせに、強がるなよ全く強情だな!」


「いや、もう大丈夫、もう良くなってきたし」

迷惑ガられて人様の厄介にはなりたくない
インフルエンザの時も
病気の時も1人で乗り越えてきた何とかなる自信はあった。

しかし武の部屋に無理やり連れ込まれた、武のベットルームに寝かされて
クンクン、洗いたての柔軟剤の香りがいい匂い
武は週3で家事代行を頼んでいるからかマンションの武の部屋は整理整頓
されて綺麗


仕方ない、フカフカの方が硬いせんべい布団よりマシか・・・

悲しいかな加奈は動け無い😭
寝返り打つには覚悟を決めて、よいしょっギクッイタタタタ

武は弁当と湿布と飲料水を買いに出掛けてしまった

1人になると後悔が押し寄せる
余計なことしなけりゃ良かったと後悔してもぎっくり腰がすぐ良くなる訳でも無いと諦めるしかない。

黒を基調にした武の部屋は30歳の男性の部屋らしくサッパリとしていてクローゼットや家具は高級感があつた、カーテンもモスグリーンで高級感がある

この間来た時はじっくり見る気も起きなかった、しかしじっくり見ると家具はホテルより高いかもしれない。

加奈の部屋もモスグリーンだが本物の木があるせいカーテンは付けていないがモスグリーンちゃモスグリーン

そんな事を考えているとカチャリと音がしてレジ袋の擦れる音がする

「おーいば婆さーん
杖買って来たゾ」
武が御茶らけて笑いながら杖を差し出して来る 、こうゆう所がムカつくが杖があるのはありがたい

「誰が婆さんジャイ
武より若いし」

「ハハハ今のお前ヨボヨボなんだけど街を歩く婆さんの方が下半身は若いぞアハハハお前負けてるやん
自転車乗れまいが」


「ウググ -᷅ᾥ-᷄ クソッ」
確かに確かに60、70、80のゲートボールを公園でやってるじーちゃんばーちゃんの方が今の加奈より確かに動ける🌱




「先輩、今日 花金 だし
行きたい店があるッス
付き合ってくれませんか?」

昼休み部屋に帰り加奈に昼飯をコンビニで用意して渡してオフィスに帰った時エレベーターに走って入って来た山形が耳元で囁いた。

山形は営業の後輩で接待に使う店をよくリサーチしていた。

「お得意さんに変わった店に行きたいと言われ料亭は押さえたんすけどその後の店が中々・・・
普通キャバクラとか行くんすけど飽きたって言われてしまって悩んでたら、清掃会社のおじいちゃんが教えてくれたんすよ、先輩一緒に下見に行きましょ
俺奢りますし」


期待の星の山形の頼みだが今ぎっくり腰の加奈を1人には出来ない、と思いつつも加奈の苦虫を潰したような顔がボワンと浮かぶ

いくら親父の会社でも俺が跡取りとはあまり知られていない
山形にとって俺は一社員の先輩なのだ真剣に悩む山形の力になりたいとも思ってしまう。


「もしかして
デートとかっすか?
彼女できたんすか?」


煮えた返事をしない俺を不審に思って聞いてくる

「いやいや違う違う
最近俺ん家さ猫預かっていてサ加奈って名前なんだが飯くわして来てからでいいか?」


「猫っすか、自分ネコアレルギーなんすよ
抱っこしたいっすけどくしゃみと痒みが先輩羨ましいっす、勿論加奈ちゃんが飯食ってからでいいっすょ
ちなみにナニ猫っすか?」

「ふ、普通のミケ猫😸だよ」

「マチカンとかシャムとかじゃないんすか」

「ま、まあな気の強いシャムとかペルシャとか嫌いなんだよ普通に日本猫が好みなんだアハハ」

「あー確かに」

俺から下見同行の了解を得た山形はご機嫌で営業部へと帰って行った。

暫くして山形からLINEがはいる
「19時に会社の前でいいッスか」
「了解」のスタンプで返す

「ただいま」

一声かけると俺は真っ直ぐ寝室へと向かった

寝室には携帯のYouTubeが鳴り響いたま加奈はグッスリと眠っていた、

デスクの椅子が枕元にありコレを上手く利用して起きたりしていたのかと感心する

「なるほどなー」

パンやおにぎり飲み物を枕元に置いて風呂に入り出掛ける用意をする
加奈はまだグッスリ眠っていた

「加奈ちょっと後輩と、接待の店の下見に行ってくるからな」

聞こえたのか加奈はダルそうにコクコクと頷いた

「ちゃんとメシ食えよ」

加奈の返事は無かった
寝息がスースと丸まった毛布の中からきこえた1人にするのは気が引けた姉貴に電話して頼もうと思ったが姉貴が電話には出なかった
「チエッ、使えねー」

長くても2時間位と思い俺は会社の玄関へと急いだ早く切り上げて帰ろう そう思いつつ早足で歩く玄関には山形ともう1人の営業の島田が待っていた、

島田は人当たりがよく誰にでも慕われている俺より一つ下のお調子者だ

山形が俺と飲みに行くと言ったら一緒に行くと言い出して2人でオレを待っていたと言う
タダ酒狙い🥃

3人で噂の店へタクシーに乗り込んで向かう

"別世界"
「なんか怪しい店じゃなかろうナ」

「高級なバーですよ」
ニヤニヤしながらタクシーの運転手が言う
「いやいや絶対怪しいだろ
その笑い」

店構えは高級感溢れている、その店には結構歳の行った客が入っていく

丸い高そうなテーブルが並んでいてステージがあり、それを見た島田が
「ウワッもしかしてストリップすか?」

と目を丸くして叫ぶ、音楽で島田の声は消されてしまった
俺も山形も島田に釣られて空いているテーブル席へ期待しながら座った。

黒服が酒のオーダをとりにきた
適当に水割り、ビールを頼んだ飲めない島田は烏龍茶
島田の目はステージに釘付けになっている

するとTバック姿の女性がポールダンスをはじめたエロいピンクのライトが彼女に当たる
と島田が叫んだ

「ウワッ結構ババアじゃね
勘弁してくれよー ババア苦手なんだよー
尻垂れてるし、
首筋うきでてるしーぃ
動脈クッキリでてるしヤバくね」

「ウワッマジだ、ババアだ」
山形もババアは苦手と言う
しかし彼女のダンスはなるほど熟練されていて見応えがあったがババア嫌いな2人には萎えて来るらしい

「若い子出せよ若い子、いねーの?カネ払ってまでバーサん見に来た訳じゃないぞ」
島田は杖を着いて歩くふりや腰を伸ばしトントンと叩いたりして抗議して意義を唱えている

島田が叫ぶ横で山形もウンウンと頷いている

今の加奈より元気だしと思う

「おい、黙ってみとけ、ダンサーに尻垂れたのなんか居ないよ」
俺は2人を睨みながら黙らせた

何回かポールダンスは見たが彼女は数段うまかった、彼女はプロ意識が強くプライドもある。


その後2人が喜ぶようなショーが始まった
プリンプリンの若い子が
何処にもあるようなエロい内容で、エロビデ見慣れている俺には、つまらなかった、なんや代わり映えしない!

「帰るぞ」

会計に行くと
ウワッたった一時間位でこの値段?
サングラスをかけた黒服が
「ありがとうございます」
と伝票を差し出してきた、すると島田が
「げげげ
ウイスキー、ビール
烏龍茶で15万?
しかもババアだったじゃん、ボッタクリ過ぎ、あのばーちゃんはクレームきますよ💢」

黒服は冷たい目をして
「無銭飲食は詐欺罪に当たりますよ」

と彼はドンとキャッシュトレイが跳ね返るくらい勢いよく叩いた

虚勢を貼っているつもりかピキピキとコメカミが動いた、

その様子に2人はビビっていたが、この金額に慣れているオレはポンと現金を出した

店の名前を聞いただけで怪しいと思いカードを使うのもヤバそうと思い加奈の飯を買った時ATMで下ろしてきていた

「いやぁあのポールダンスは素晴らしかったと彼女に伝えてください」
そうつけ加えて俺達は店を出た
黒服は追いかけてきて
俺の肩を掴んで言った

島田と山形は身構えたが彼の一言に唖然
「ありがとうございます、実は俺の母親なんすよ、もうやめろと言ってるんですがボケてしまうからと辞めないんです、長い間 客の前に立って稼いで来たんです」
俺は聞いた
「お母さんは何歳ですか?」

「恥ずかしい話65です」

「熟練された技で
感動しました、素晴らしかった」

黒服は呆然と立っていたがサングラスを外して目頭を押さえていた

「又お待ちしています」
と頭を下げていた

「二度とイカネー」

島田がブツブツと聞こえないように
文句を言っていた
山形は
「人生何事も勉強ですね先輩、金、俺も下ろして来ますよ、オレが頼んだわけですし返します」


「いや良いよ」
俺が山形にそう言うと
ニョッキリ首を出したお調子者の島田が

「じゃあ口直しにキャバクラ行きましょう
人気の子がいるんですよホラホラ行きましょう行きましょう」

島田は俺らの背中を押す
「あんな筋だらけの
婆ちゃん見た後は口直し口直し」
山形も少し乗り気なのか賛成という
時間を見ると未だ8時だった

「一時間したら俺は帰るからな!」
「了解っすー」
島田はおちゃらけて敬礼をして右左を向く
俺と山形に金ださせようとしている

ズーズーしい奴だけどなんか憎め無い愛されるキャラの島田の特権で羨ましいと常に俺は思っている
山形もヤレヤレと言う顔をしてる

ココ此処👉
「Metro」
看板には可愛らしい女の子が微笑んでむかえてくれる
島田は看板の真ん中の子を見てニヤニヤ

俺と山形は顔を見合わせると島田はワクワクした様子で先頭に立って入っていく俺達は後に続く
「イラっしゃいませー」

「ヨッヨッ」
島田はおちゃらけて右手左手を交互に出す
俺と山形も島田の後ろからついて行く
ヨッヨッ
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