縁はいなもの?味なもの?
22🐝🐝


腰を固定し痛み止めを打ってもらうとだいぶ痛みも引いて歩けるようになった
寝る時の寝かたなどを教わり
治療は終わった


「どう?」
お婆さんは加奈を見て聞いてきた、さっき迄心配してくれていた顔が少し穏やかになっていた

「先生は名医です。
あんなに痛かったのが嘘のように楽になりました。」

「そう、良かった良かった。じゃあ、帰りましょうか!」

とおばあさんが言うので、え?

「診察は?」

ビックリして加奈がニコニコしているおばあさんにきいた

「孫の顔を見に来ただけよ
ちゃんと頑張ってるから安心したわ」

そう言って笑った そんなお婆さんに加奈はぶったまげた、

「え?お孫さんって、やっぱりあの先生の?」
「ウフフそうそう」

と悪戯っぽく笑うおばあちゃん
と帰る方向は逆だ。
一緒には帰れない

「実はあのマンションは名ばかりの婚約者が借りていて私はボロッチイアパートなんですよ、だから此処で失礼します」
と言おうとしたが・・・

お婆さんは加奈の診察が終わるのを待ってくれていたのにこれでいいのか?

ちょっと薄情じゃないか?そんな疑問が脳裏をはしる、

時計を見ると13時!いや良くないこんな、待ってくれていたのに、そんな葛藤の末、加奈の口から

「あのーよかったら
お昼一緒にどうですか?お礼もしたいし」

お喋りが好きで時間はたっぷりある90歳の私は加奈ちゃんのお昼の誘いが嬉しくて「行く」と直ぐ返事をした。

彼女は思いやりがあって楽しい子だ、もっと知り合いになりたかったと思うのは年寄りのワガママだろうか?




今時古びたレンガの階段をあがる
「アレあがれた
やっぱお孫さんは名医ですね」


「そ、そうね」

90歳にはかなり堪える階段だった。
🧓🏻は少し息切れ

『ううーヤッパ仕事辞めてから運動不足だワ』

と反省する。
そんな私に彼女は急に立ち止まり手を大きく広げ

「ジャジャジヤジャーャーン、ここが我が家でっす、この子が蛇太郎でーす、
おばあちゃんビビらないで悪いことなんか蛇太郎はしないから」
蛇太郎と呼ばれないと分からなかった。ヒモが落ちているように見えるのが蛇太郎くん?

「ま、まあまあ凄い
蛇なんて戦時中に見たきり見てないわ」

蛇太郎は少し警戒したのかシュルシュルと窓の定置にペタリ


「エサって何あげてるの?🐸とか🐛とか?草むらか公園とかでさがしてるの?」

いえ飼ってるわけじゃないので食事は基本自分でやってもらってます
たまには卵をあげますけど

「す、凄いワ
野生ってことよね
どうやって仲良くなれたの?」


「この子はこのアパートに生まれたんだと思います、だから住人同士って思えばなんてことありません、

確かに蛇って気持ち悪いかもだけど小さいし、蛇に生まれてきたのは仕方ないし、この子も同じ考えじゃないでしょうかハハハ」

ヒモに見える小さい小さい蛇は青い色にも見える

「アオダイショウ?かしら?」

私は蛇をじーっと見た
確かにヒモじゃなくて蛇だ舌がピョロピョロと忙しなくうごいてる

加奈は腰をかがめてドアをガシッと掴み足を踏ん張ってバンと引き寄せるとギギギーとドアが開いた

油断は禁物又痛くなりそうになり腰をかばう

「どうぞ」


狭い狭い畳2条半くらいの部屋には布団が、キチンとカクカクにたたんであり ちゃぶ台 が真ん中に鎮座していた
かなりの年期がはいっていてだいぶかげているし修理した跡がかなりある。
「加奈ちゃんは物を大事に使うのね❤︎えらい違い」

加奈はキルトの座布団をススメ
「このちゃぶ台は形見みたいなものですからね
デ‼なにたべますか?」
とラーメン屋と定食屋のメニューを見せた

「本当はレストランとかカフェとかお洒落なとこに連れて行きたかったんですけどこの体だし、体制がきびしいかな?と思って」

「いえいえありがとう
じゃあ中華丼と麻婆豆腐がいいわ」

そう私が言うと
「ハーイ」
と答え彼女は電話をしだした
流暢な中国語で加奈は話し出し注文を終えた

「谢谢」

「😮加奈ちゃんて中国人だったの?」

「違いますよガッッリJapaneseです。
あ、ヤバイ、ウーロン茶無かったです緑茶で良いですか」

「う、ええ勿論、水でもいいわよ」
あんまりびっくりして声が上ずってしまった。

それから、中華丼と麻婆豆腐
ラーメンと餃子、回鍋肉
がちゃぶ台に並んだ

配達して来た人と五分くらい立ち話をしていた加奈は中国人かと見間違うくらい中国語が上手かった。

「ど、どこで覚えたの」
と聞くと彼女は
「NH〇の中国語講座」
と明るく笑った

よくよくきけばフランス語イタリア語 英語スペイン語韓国語を
同じNH〇講座で取得したらしい

一番安く受けれる外国語講座だったと受信料の元を取りましたアハハ
と彼女は豪快に笑う

小学生から高校3年までビデオを繰り返しみて年々上達したという

一日中暇だし私もやってみようかなと加奈ちゃんに言うと大賛成してくれた
こうして加奈ちゃんはNH〇講座の受け方、勉強の仕方を教えてくれた

100歳頃はペラペラですよという彼女にぼーっと生きるより楽しみながら生きる事を教えてもらった気がした。
60の手習いと言うけどやる気に年齢は無い


「加奈ちゃんのご両親の育て方がいいのね」


「エッ」

いえいえ、育ててもらってませんよと言いたかったが自分の恥をわざわざ、話すことはないと加奈は口をつぐんだ。


アレ加奈ちゃんは凄く凄くビックリした顔を私に向けた


「親は放ったらかしでしたよ」

と一言、彼女はケラケラと笑った。
お互い連絡先を交換して私には66歳下の友人が出来た、彼女に会った事で人生楽しくなりそうな予感がした。


「いやぁ加奈さんありがとう」
夏目整形外科で名前を呼ばれ診察待ちをしていると知らない医師に御礼を言われキョトンとしていると最初に診察をしてくれた夏目奏多さんが笑いながら診察室に入ってきた
「院長の夏目響です私の父親です」と彼が紹介してくれた

ああ、妙さんのと納得した
笑った顔が妙さんに
ソックリだ

「いえ、こちらこそ
楽しくさせてもらってます」
と返した。


「祖母からお昼をご馳走になったと聞きました
ありがとうございます。」
奏多さんが嬉しそうに言って来た。

「いえ、そんなに豪勢じゃないですから、私も御礼のつもりだったんです」

「そうなのか?
じゃあ是非ウチにもいらしてください、私も母の友人に御礼がしたい。」

こんなに大事にされているんだなぁ妙さんは幸せ者だ

家族と言えば叩き合いの殴り合しか知らない加奈にはだいぶ 不思議に思える

父親は母親の財布から金を抜き取りギャンブルにはしる🏃

母親が立った隙に目にも止まらぬ早業でパパパと金💰を抜き取り🏃🏼‪💨居なくなる。

そして夜遅く帰って来る、ギャンブルで1日かけて稼いだ金を母親が
酒飲んで寝ている父親からくすねる、🏃‍♀️母の財布はギッシリとお札が並ぶ加奈から見ればドッコイドッコイそれが原因で始まる乱闘

又お金が無くなると母の財布の出番、しかし当たり前だがギャンブルは損する方が多い
家族とは戦い、金を奪い合うものだとおもっていた、まさにサバイバル💸💸💸金の横取り連鎖


危ない危ない、加奈もあのまま育てばロクな人間にはならなかった自信がある

ヤバいヤツとろくな奴に育てられればきっとそうなる

捨ててくれてありがとうと言いたい、捨ててくれたからこそ善悪の判断ができるようになった。


人の有難みを感じられるようになったし、ご飯もちゃんと三度三度たべられた

米を見て感動した、カチカチじゃ無いし歯にもささらない米粒、真っ白でツヤツヤして温かい、お湯を掛けなくてもたべられる、腐った米は食べたことは無い、見えないカビなどなんてことない、ってか腐る間米があったことがあまり無い


それに他人の集まりの施設は自分が出来る事でカバーし合い助け合う物だと思ってきたから以外だった。

妙さんの家族は心配し合ってる?
なんで?

妙さんは孫を心配して仕事場を見に来るほど、そして息子と孫は妙さんを心配している、コレが家族なのだろうか?


< 23 / 36 >

この作品をシェア

pagetop