縁はいなもの?味なもの?
🐝🐝
動物病院へやっとの思いでたどり着く
「どうしたの?」
道に捨ててあった空き箱にハトを入れていたから箱を開けてインターホンのカメラ越しに箱をあげて写した
それを見て50代くらいの獣医さんはのそりと出てきた
言いにくそうに下を向いて加奈は思い切るように声を出す
「📣あのーハト、ケガしてて
大きくなったら治療費はらいますので診てもらえますか?」
「は?」
不思議な顔をして先生は加奈の箱の中身を覗いて見た
「今、お金なくて
でも見捨てれなくてあ‼
柿10個でどうてすか?」
先生は困った顔をして
「せっかく持ってきてくれたんだけど
入れ歯だから固いものは
食べれないんだよすまんね」
加奈はハトのねずみ色の羽を撫でた
「ごめん、お金が無いと助けれない」
と涙がでてきて、ぐったりとした鳩を箱ごと抱え加奈はワンワン泣いた
その大泣きに慌てたのは彼だった。
「ちょちょちょっと診ないとは言ってないだろ、俺も獣医だ」
加奈はカピカピと汚れて黒くなった袖で涙を拭きながら
「じゃあ助けてくれるんですか?グスン」
「私も動物が好きで獣医になったんだから
鳩はあずかるよ、安心しなさい」
「😭た、ただで?」
ちゃっかりした子だなぁと獣医師の小野はクスリと笑う
「小さい子からは金はとらないよ、君小学生だろタダだ」
「ありがとう先生」
加奈はニッコリと笑った
病院を出ると花壇には花はなく雑草がモコモコと生え茂っていた
メヒシバや嫌われ者のセイタカアワダチソウや固い草がたくさん根をのばしていた
加奈はハトを入れてきた箱に雑草を詰め込み庭を清掃し始めた
それを小野は見つめる
「フッ小学生にしては・・・
頭が下がるな、いい子だな」
小野は感心した
草だらけの花壇が随分綺麗になった頃
「お茶にしなさい」
窓から小野が声をかける
すると60代位の女の人がケーキとオレンジジュースを持ってきた
「エッ‼️」
奥さんらしき人とが立っていて加奈は声を上げた
烏と加奈は初めてのイチゴケーキにビックリ
しかし奥様は加奈の隣でペッペッと草を堀り倒しているカラスにビックリしたのだ
「あなたーあなたー」
彼女は叫ぶ
その声にビックリして小野が飛び出してきた
「どーしたまゆこ」
小野は妻のまゆこの人差し指の先を見つめた。
腰をかがめて小野は落ちそうな
丸メガネ┏◎-◎┓を人差し指で鼻のさきへおすと訝しげに加奈に聞いてきた
「これキミの?ペット?
良くしつけられてるね草取りするカラス初めて見たよ」
小野先生は不思議そうに聞いて来た
「ああ、コイツ👉はカラス集団からハトを救い出してくれた良い奴なんですよ
さっき知り合ったばかりです。
でもカラス世界には帰れそうにないので私の家におくつもりです」
きっと元仲間のカラスには餌を横取りしたと思われているだろう、裏切り者のレッテルをはられているに違いない、あんな食い意地張ったカラス集団だ仕返しされない分けが無い‼加奈はカラスの羽を優しくなでた
「いただきマース」
加奈はフォークでケーキを半分にカットしてカラスにわたした
黒くしっかりとしたクチバシでカラスはケーキを美味しそうに食べ始めた
加奈もガツガツとカラスにまけないように食いつく
遅れをとったら横取りされる感がある、半分はあげたからもうあげない食い意地とは中々のものだ
カラスと加奈の、がつつきようがあまりに似ているので
「あらら、お腹すいてるの?」
夫婦は顔を見合わせた
「いえ、べ、別に給食たべたし
大丈夫です。」
と見栄をはる
加奈もプライドがある、カラスもプライドがあるのか腹減ってないフりをする
柿争奪戦を繰り返した1羽と加奈だったが見栄を張る所も同じ穴の狢か?
「ヘヘッ」
からすと加奈は目をあわせて笑った。
「ハトの事よろしくお願いします」
加奈はケーキのお礼とハトの事にお礼をいって帰って行った
カラスはカー吉と名ずけた
あの後加奈は児童相談所に連れていかれカラスとは離れてしまった。
ハトの事もカー吉のこともずっと気がかりだった
実家からは、かなり離れた施設だったから カー吉がどうなったか見に行く事もできなかったが
小野動物病院の名前を覚えていたから施設の先生に頼んで小野先生にカー吉がどうしているか見に行ってもらった
「加奈ちゃん安心しなさい
小野先生が保護して動物病院でハトとカラスは仲良くしているそうよ」
加奈はそれを聞くと安心したのかワンワン廊下にベターっと座って泣いてしまった
バスに揺られながらそんな日々を思い出す
バスを降りると懐かしい風景が加奈を迎えてくれた
カー吉もハトも、もう亡くなってしまったと思いながら駅近くで饅頭屋さんにより動物病院に手土産に饅頭10個を買った
ハトにはマメ
とカラスに団子を買いお墓にそなえるつもりで・・・
手に下げたエコバッグの中からホカホカの饅頭のにおいがする
動物病院が近くなると加奈の足も早くなる
何故か花壇は草だらけと思ってたいたが
花壇はとっぱらわれ芝生が広がる庭になっていた金木犀が病院の回りをとりかこみ見覚えのある
黒いカラスがガァガァと鳴いた
「📢も、もしかしてー
カー吉?生きていたの」
加奈はさけぶ
カー吉は飛べないのか加奈をみるとハッとしたように嬉しそうにヒョコヒョコゆっくりと歩いてきた
あれから13年経つのにカー吉は健在だった
カー吉も加奈を覚えていたのか
両羽を大きく広げ甘えてきた
お互い歳を取って懐かしさだけが込み上げてくる
加奈も駆け寄りカー吉を抱きしめて頬擦りをする
「カー吉、カー吉」
久々の再会に涙もでる
「一緒にいれなくてゴメン
元気で良かったー」
加奈の事情をカー吉も知っているようにカー吉も加奈には恨み事もいわない
ガァガァと嬉しそうにして迎えてくれた。
カー吉を肩に乗せて小野病院へと入る
病院に来た犬猫の飼い主さんも沢山いたがカー吉に誰も驚かない
受付の事務の人も4~5人いて綺麗にリフオームされていて見違えるほど大きな病院になっていた
「えっと・・・」
受付の彼女は用事を聞きたいのか少し戸惑っていた
「ガァガァ」
カー吉はトコトコと診察室に入って行って
「イテイテイテ
カー吉やめないか」
小野先生はカー吉にっつきだされるように先生が診察室から出てきた
加奈を見て先生は・・・フリーズ
「アレキミは?!」
「先生お久しぶりです
私加奈です」
加奈は頭をさげる
小野はビックリして
「えっ(;゚Д゚)!加奈ちゃん、あの食い意地のはった加奈ちゃん?」
「食いいじ?はい、カー吉とハトがお世話になりました」
「いやいや、カー吉とハト吉のおかげで病院は大盛況テレビにも出て御礼を言うのはこっちだよ
人間の気持ちが分かるカラスがいるって評判でサ」
カー吉と加奈は暫くくらして貧乏を共にしてきた
学校でもハブられてきた加奈はカー吉に愚痴を聞いてもらってきた
そのせいでかもだが加奈もカー吉に随分と慰められてきたものだ
「いやぁ大きくなったなぁ 後で聞いたよ
なんで相談してくれなかった
1人で暮らしていたんだって?」
「は・・い
コンビニでたおれてそのまま病院から施設におくられて
ご挨拶もできずにすみません」
「いやいやそれは大丈夫施設の人から聞いたよ、
随分勉強熱心でクラスでずっとトップだったそうだね 賢いはずだ
そうだ まゆこも喜ぶよ家に行こう」
矢継ぎ早に急かされ加奈は頷く
「高木、斎藤 あとは頼んだぞ」
先生が
そう叫ぶと「了解」
と若い男性の声がハモって聞こえた。
カー吉もヨタヨタとコッチとばかりに道案内に加奈の先をペンギンのように歩く
カー吉も随分年取った気がする。
先生から話を聞いたのか まゆこさんが飛び出してきた
加奈を見たまゆこさんは目を丸くしながらも喜んでくれた
今病院は有名になり高木と斎藤と言う2人の医者を雇うまでになっていた。
「あのーハトはどうなりましたか?」
諦めていたカー吉が生きているのだからハトも生きていると思ってしまう
「ズズーッ」
まゆこさんが入れてくれた緑茶をすすりながら土産の饅頭をパクリと口に入れた先生は
「怪我がなおるとハトが集団でやって来てすぐいなくなった」
カー吉は保護したんだがカー吉も居なくなると思っていたが
コイツはココが気にいってくれて、仲良く暮らしているよ」
「ハトは番がいれば
そっちをえらんだんだろうよ
あ、番って嫁さんなアハハ
家族は大事なんだろうなーァ
子供が大きくなるまで離れないからハトのヒナはなかなかみれないんだ、見た事ないだろ」
「ああーたしかに」
加奈は納得して頷いた
カー吉が喉につまらせないように
まゆこさんはハサミでちいさく団子を切りながら
「ほら、ハトは集団で
いるじゃない、だからハト吉も
そっちの方が幸せなのよ
元気にしてればいいけどね」
窓から見えるウロコ雲を眺め3人でハト吉の無事を祈って空を見上げた
何故か部屋の隅にボロっちいオレンジ色のランドセルがみえた
見覚えのあるそれは・・・
加奈は何故ここにあるのか不思議に思ったが聞かずにいた。
加奈は勤め先と連絡先を交換して
小野動物病院を名残惜しそうに見送ってくれる先生とカー吉とまゆこさんに手を振って別れてきた
昔昔歩き慣れた道を実家に向かって歩く、いつもおなかへらしていたなぁそんな辛い過去も思い出になっていた。
カー吉と争奪戦をした柿の木はもうなかった
その道を抜けると実家は取り壊され駐車場になっていた
ベッドタウンのように垢抜けた今風な家が立ち並び昔無かったコンビニもみえた
草ぼうぼうで朽ち果てた家を想像していたがその心配はなかった
母も家をとうとう売りにだしたのだろう管理は難しいとやっと分かったのか?
通学路で空き家は危ないと市から言われたのかもしれない
とうとう実家も姿を消した
加奈の心配は杞憂に終わった
軍手や懐中電灯も出番はなかった
気落ちしながらも安堵する
犯罪がおこらなくてよかった しかし寂しい気持ちはぬぐえない
ボロッボロの家だったけど加奈にとっては唯一の実家だった
道を下を向いて歩いていると1人の男性の品のいい靴が目に入った
加奈が避けると避けた方向に又靴も移動する
「エッ、ナニ?꜆꜄꜆」
顔を上げるとストライプのスーツに身を包んだ男がたっていた
「た、武」
武はニッコリ笑う
「良いとこだなアハハ
何も無いけど」
加奈は目から何故か涙が出てきた
赤いトレーナーでゴシゴシと涙を拭いた
「言ってくれたら良かったのに」
武は加奈の頭をゴシゴシと撫でた
「俺、お前の事情しらなくて
偶然姉貴に会いに来たお前んとこの社長にきいたんだ、おまえ
頑張ってたんだな」
「なんでよ、優しくしないでよ
もう、実家も😭無くなっちゃったのよー、親も実家もなにもないの
ー1人になっちゃった
アンタ知らなかったでしょ、私は孤児よ」
コイツの前では絶対泣くかと涙を我慢したがポロリと流れた涙は中々止まらない
武は加奈をだきよせて
「俺がいるだろ」
加奈は武の優しい言葉に
甘えてしまいそうになる
「かえるぞ」
武は加奈の家の後に出来た駐車場まで歩く黒塗りの高級車が目立ってみえた
この辺に台所があって
とか考えているとビューウウンと秋風が頬をなでた
家は無くなっちゃったけど土地は加奈にお帰りと懐かしんでくれたのかも知れない
「そうだ、この土地を買い戻そう又私の家を建てよう」
加奈は小さな決断をした
かがみ込んで敷かれたアスファルトをなでる
「いつか帰ってくるよ
待つてて‼又カー吉と暮らすから
蛇太郎もつれてきていい?」
駐車場になった実家からみあげる空は夕焼け雲に赤く染まっていた
あの頃と変わらない・・・
動物病院へやっとの思いでたどり着く
「どうしたの?」
道に捨ててあった空き箱にハトを入れていたから箱を開けてインターホンのカメラ越しに箱をあげて写した
それを見て50代くらいの獣医さんはのそりと出てきた
言いにくそうに下を向いて加奈は思い切るように声を出す
「📣あのーハト、ケガしてて
大きくなったら治療費はらいますので診てもらえますか?」
「は?」
不思議な顔をして先生は加奈の箱の中身を覗いて見た
「今、お金なくて
でも見捨てれなくてあ‼
柿10個でどうてすか?」
先生は困った顔をして
「せっかく持ってきてくれたんだけど
入れ歯だから固いものは
食べれないんだよすまんね」
加奈はハトのねずみ色の羽を撫でた
「ごめん、お金が無いと助けれない」
と涙がでてきて、ぐったりとした鳩を箱ごと抱え加奈はワンワン泣いた
その大泣きに慌てたのは彼だった。
「ちょちょちょっと診ないとは言ってないだろ、俺も獣医だ」
加奈はカピカピと汚れて黒くなった袖で涙を拭きながら
「じゃあ助けてくれるんですか?グスン」
「私も動物が好きで獣医になったんだから
鳩はあずかるよ、安心しなさい」
「😭た、ただで?」
ちゃっかりした子だなぁと獣医師の小野はクスリと笑う
「小さい子からは金はとらないよ、君小学生だろタダだ」
「ありがとう先生」
加奈はニッコリと笑った
病院を出ると花壇には花はなく雑草がモコモコと生え茂っていた
メヒシバや嫌われ者のセイタカアワダチソウや固い草がたくさん根をのばしていた
加奈はハトを入れてきた箱に雑草を詰め込み庭を清掃し始めた
それを小野は見つめる
「フッ小学生にしては・・・
頭が下がるな、いい子だな」
小野は感心した
草だらけの花壇が随分綺麗になった頃
「お茶にしなさい」
窓から小野が声をかける
すると60代位の女の人がケーキとオレンジジュースを持ってきた
「エッ‼️」
奥さんらしき人とが立っていて加奈は声を上げた
烏と加奈は初めてのイチゴケーキにビックリ
しかし奥様は加奈の隣でペッペッと草を堀り倒しているカラスにビックリしたのだ
「あなたーあなたー」
彼女は叫ぶ
その声にビックリして小野が飛び出してきた
「どーしたまゆこ」
小野は妻のまゆこの人差し指の先を見つめた。
腰をかがめて小野は落ちそうな
丸メガネ┏◎-◎┓を人差し指で鼻のさきへおすと訝しげに加奈に聞いてきた
「これキミの?ペット?
良くしつけられてるね草取りするカラス初めて見たよ」
小野先生は不思議そうに聞いて来た
「ああ、コイツ👉はカラス集団からハトを救い出してくれた良い奴なんですよ
さっき知り合ったばかりです。
でもカラス世界には帰れそうにないので私の家におくつもりです」
きっと元仲間のカラスには餌を横取りしたと思われているだろう、裏切り者のレッテルをはられているに違いない、あんな食い意地張ったカラス集団だ仕返しされない分けが無い‼加奈はカラスの羽を優しくなでた
「いただきマース」
加奈はフォークでケーキを半分にカットしてカラスにわたした
黒くしっかりとしたクチバシでカラスはケーキを美味しそうに食べ始めた
加奈もガツガツとカラスにまけないように食いつく
遅れをとったら横取りされる感がある、半分はあげたからもうあげない食い意地とは中々のものだ
カラスと加奈の、がつつきようがあまりに似ているので
「あらら、お腹すいてるの?」
夫婦は顔を見合わせた
「いえ、べ、別に給食たべたし
大丈夫です。」
と見栄をはる
加奈もプライドがある、カラスもプライドがあるのか腹減ってないフりをする
柿争奪戦を繰り返した1羽と加奈だったが見栄を張る所も同じ穴の狢か?
「ヘヘッ」
からすと加奈は目をあわせて笑った。
「ハトの事よろしくお願いします」
加奈はケーキのお礼とハトの事にお礼をいって帰って行った
カラスはカー吉と名ずけた
あの後加奈は児童相談所に連れていかれカラスとは離れてしまった。
ハトの事もカー吉のこともずっと気がかりだった
実家からは、かなり離れた施設だったから カー吉がどうなったか見に行く事もできなかったが
小野動物病院の名前を覚えていたから施設の先生に頼んで小野先生にカー吉がどうしているか見に行ってもらった
「加奈ちゃん安心しなさい
小野先生が保護して動物病院でハトとカラスは仲良くしているそうよ」
加奈はそれを聞くと安心したのかワンワン廊下にベターっと座って泣いてしまった
バスに揺られながらそんな日々を思い出す
バスを降りると懐かしい風景が加奈を迎えてくれた
カー吉もハトも、もう亡くなってしまったと思いながら駅近くで饅頭屋さんにより動物病院に手土産に饅頭10個を買った
ハトにはマメ
とカラスに団子を買いお墓にそなえるつもりで・・・
手に下げたエコバッグの中からホカホカの饅頭のにおいがする
動物病院が近くなると加奈の足も早くなる
何故か花壇は草だらけと思ってたいたが
花壇はとっぱらわれ芝生が広がる庭になっていた金木犀が病院の回りをとりかこみ見覚えのある
黒いカラスがガァガァと鳴いた
「📢も、もしかしてー
カー吉?生きていたの」
加奈はさけぶ
カー吉は飛べないのか加奈をみるとハッとしたように嬉しそうにヒョコヒョコゆっくりと歩いてきた
あれから13年経つのにカー吉は健在だった
カー吉も加奈を覚えていたのか
両羽を大きく広げ甘えてきた
お互い歳を取って懐かしさだけが込み上げてくる
加奈も駆け寄りカー吉を抱きしめて頬擦りをする
「カー吉、カー吉」
久々の再会に涙もでる
「一緒にいれなくてゴメン
元気で良かったー」
加奈の事情をカー吉も知っているようにカー吉も加奈には恨み事もいわない
ガァガァと嬉しそうにして迎えてくれた。
カー吉を肩に乗せて小野病院へと入る
病院に来た犬猫の飼い主さんも沢山いたがカー吉に誰も驚かない
受付の事務の人も4~5人いて綺麗にリフオームされていて見違えるほど大きな病院になっていた
「えっと・・・」
受付の彼女は用事を聞きたいのか少し戸惑っていた
「ガァガァ」
カー吉はトコトコと診察室に入って行って
「イテイテイテ
カー吉やめないか」
小野先生はカー吉にっつきだされるように先生が診察室から出てきた
加奈を見て先生は・・・フリーズ
「アレキミは?!」
「先生お久しぶりです
私加奈です」
加奈は頭をさげる
小野はビックリして
「えっ(;゚Д゚)!加奈ちゃん、あの食い意地のはった加奈ちゃん?」
「食いいじ?はい、カー吉とハトがお世話になりました」
「いやいや、カー吉とハト吉のおかげで病院は大盛況テレビにも出て御礼を言うのはこっちだよ
人間の気持ちが分かるカラスがいるって評判でサ」
カー吉と加奈は暫くくらして貧乏を共にしてきた
学校でもハブられてきた加奈はカー吉に愚痴を聞いてもらってきた
そのせいでかもだが加奈もカー吉に随分と慰められてきたものだ
「いやぁ大きくなったなぁ 後で聞いたよ
なんで相談してくれなかった
1人で暮らしていたんだって?」
「は・・い
コンビニでたおれてそのまま病院から施設におくられて
ご挨拶もできずにすみません」
「いやいやそれは大丈夫施設の人から聞いたよ、
随分勉強熱心でクラスでずっとトップだったそうだね 賢いはずだ
そうだ まゆこも喜ぶよ家に行こう」
矢継ぎ早に急かされ加奈は頷く
「高木、斎藤 あとは頼んだぞ」
先生が
そう叫ぶと「了解」
と若い男性の声がハモって聞こえた。
カー吉もヨタヨタとコッチとばかりに道案内に加奈の先をペンギンのように歩く
カー吉も随分年取った気がする。
先生から話を聞いたのか まゆこさんが飛び出してきた
加奈を見たまゆこさんは目を丸くしながらも喜んでくれた
今病院は有名になり高木と斎藤と言う2人の医者を雇うまでになっていた。
「あのーハトはどうなりましたか?」
諦めていたカー吉が生きているのだからハトも生きていると思ってしまう
「ズズーッ」
まゆこさんが入れてくれた緑茶をすすりながら土産の饅頭をパクリと口に入れた先生は
「怪我がなおるとハトが集団でやって来てすぐいなくなった」
カー吉は保護したんだがカー吉も居なくなると思っていたが
コイツはココが気にいってくれて、仲良く暮らしているよ」
「ハトは番がいれば
そっちをえらんだんだろうよ
あ、番って嫁さんなアハハ
家族は大事なんだろうなーァ
子供が大きくなるまで離れないからハトのヒナはなかなかみれないんだ、見た事ないだろ」
「ああーたしかに」
加奈は納得して頷いた
カー吉が喉につまらせないように
まゆこさんはハサミでちいさく団子を切りながら
「ほら、ハトは集団で
いるじゃない、だからハト吉も
そっちの方が幸せなのよ
元気にしてればいいけどね」
窓から見えるウロコ雲を眺め3人でハト吉の無事を祈って空を見上げた
何故か部屋の隅にボロっちいオレンジ色のランドセルがみえた
見覚えのあるそれは・・・
加奈は何故ここにあるのか不思議に思ったが聞かずにいた。
加奈は勤め先と連絡先を交換して
小野動物病院を名残惜しそうに見送ってくれる先生とカー吉とまゆこさんに手を振って別れてきた
昔昔歩き慣れた道を実家に向かって歩く、いつもおなかへらしていたなぁそんな辛い過去も思い出になっていた。
カー吉と争奪戦をした柿の木はもうなかった
その道を抜けると実家は取り壊され駐車場になっていた
ベッドタウンのように垢抜けた今風な家が立ち並び昔無かったコンビニもみえた
草ぼうぼうで朽ち果てた家を想像していたがその心配はなかった
母も家をとうとう売りにだしたのだろう管理は難しいとやっと分かったのか?
通学路で空き家は危ないと市から言われたのかもしれない
とうとう実家も姿を消した
加奈の心配は杞憂に終わった
軍手や懐中電灯も出番はなかった
気落ちしながらも安堵する
犯罪がおこらなくてよかった しかし寂しい気持ちはぬぐえない
ボロッボロの家だったけど加奈にとっては唯一の実家だった
道を下を向いて歩いていると1人の男性の品のいい靴が目に入った
加奈が避けると避けた方向に又靴も移動する
「エッ、ナニ?꜆꜄꜆」
顔を上げるとストライプのスーツに身を包んだ男がたっていた
「た、武」
武はニッコリ笑う
「良いとこだなアハハ
何も無いけど」
加奈は目から何故か涙が出てきた
赤いトレーナーでゴシゴシと涙を拭いた
「言ってくれたら良かったのに」
武は加奈の頭をゴシゴシと撫でた
「俺、お前の事情しらなくて
偶然姉貴に会いに来たお前んとこの社長にきいたんだ、おまえ
頑張ってたんだな」
「なんでよ、優しくしないでよ
もう、実家も😭無くなっちゃったのよー、親も実家もなにもないの
ー1人になっちゃった
アンタ知らなかったでしょ、私は孤児よ」
コイツの前では絶対泣くかと涙を我慢したがポロリと流れた涙は中々止まらない
武は加奈をだきよせて
「俺がいるだろ」
加奈は武の優しい言葉に
甘えてしまいそうになる
「かえるぞ」
武は加奈の家の後に出来た駐車場まで歩く黒塗りの高級車が目立ってみえた
この辺に台所があって
とか考えているとビューウウンと秋風が頬をなでた
家は無くなっちゃったけど土地は加奈にお帰りと懐かしんでくれたのかも知れない
「そうだ、この土地を買い戻そう又私の家を建てよう」
加奈は小さな決断をした
かがみ込んで敷かれたアスファルトをなでる
「いつか帰ってくるよ
待つてて‼又カー吉と暮らすから
蛇太郎もつれてきていい?」
駐車場になった実家からみあげる空は夕焼け雲に赤く染まっていた
あの頃と変わらない・・・