縁はいなもの?味なもの?
🐝🐝


加奈は仕切り直しとばかりに次の日
朝早くハロワに行った


手続きを終えて仕事探しを始めた

「この街から出ようかな」

ふとそう思い
県外を探してみる

お昼を回る頃、加奈は席を立つ

「すみませんまた明日来ます」

加奈はそう言ってハロワを出たがお腹がすいていた事に気づく、隣のスーパーに入ろうとした時

「あら加奈ちゃんじゃない」

それは久しぶりに会う妙さんだった

「腰はどう?大丈夫?」

「お陰様で先生のおかげでスッカリよくなりました」

妙さんに会えて加奈の声もはずんでくる

「どこいくの?」
屈託の無い笑顔で妙さんは聞いてくる


「私仕事辞めたんでハロワに仕事探しにきたんですよ」

「一生懸命勤めていたのに、なにかあったの?」

加奈も隠し通せないと思い辞めた理由と仕事探す理由を妙さんに包み隠さず伝えた

隠し事は苦手だ。


「そうだったの、大変だったわね、そうだ、お昼一緒に食べましょ」

そういうと後部座席のドアを運転手さんがササッと開けてくれた
黒塗りのピカピカな車は加奈の軽自動車とは違い乗り心地も良かった

ハロワはバス停前にあるので加奈はバスで来ていた、

結構仕事探しも頭をつかい仕事あるのかと言う不安もありクタクタな今、気疲れしていた加奈は妙さんの誘いは正直助かった

仕事は直ぐ見つかると舐めていた世の中の職種とやりたい仕事が分からない自分の知識の無さにぐんなりしてしまう。

1番したいのは通訳、なかなか無い
2番目やりたいのは
やりたいのは?

「はあ〜っ」

とつい溜息をつきクッションのいい背もたれにもたれかかる

「あらまあ、お疲れね、鰻にしましょう 元気でるわよ」

妙さんは金銭面では問題ない資産家だ、しかし加奈はそうじゃない
鰻をお昼に食べれる身分では無い

でもこの時ばかりはあまり使わない脳みそを使ったせいかクタクタだった妙さんの言う鰻に大賛成した

年季の入った鰻屋さんは甘じょっぱいタレと鰻を焼く焦げた何とも言えない匂いがたまりません

匂いだけでも足が軽くなる😂
席に着くと暖かいお茶が身に染みた🍵

「しごと?ホテル系?を探してるの?」
向かい合わせに座った妙さんがニッコリ笑う

「ちょっと違う職種もいいかなぁって思っています」

妙さんは少し考えて

「あー息子が、次男の方ね 事務の子が寿退社するから事務募集してるかもしれないわね
聞いてみようか?」

加奈の返事もきかず妙さんは携帯を取りだし次男さんに電話をかけ始めた

「うん、そうそう
頭はすこぶるいい子よ
私の御墨付き
5カ国語は話せるわよ
私も外国の友達に会うときご一緒してるのよ、うん、聞いてみるね」

妙さんは電話を切って加奈に体をむけてきた

「息子はね会計事務所を何件か持っていて
てんてこ舞いなんですって、もし来てくれたら県外の方にどうかって言ってるけど無理なら県内もあるからどう?」

加奈にとっては渡りに船、断るはずが無い
「お昼まだらしくて鰻屋に誘ったからもうスグ来るわよ!」

「えー即面接?会計事務所なんて難しい仕事出来るかなぁ」

「加奈ちゃんだったら大丈夫
あの大学でてるんでしょ」

「はい、一応、学費免除にしてもらう為に首席ででました」

「まあ⊙⊙首席
👏👏凄いワー即採用よ」

「お金無かったですからお金の為です
(๑ ิټ ิ)ヘヘッ」

それから背の高い妙さんの次男さんが紺の品のいいスーツをきてスタスタとやってきた

「あ?、あらぁー、奏太じゃないのコッチコッチ」
妙さんが手を上げる
「婆ちゃん目立ち過ぎ」
奏太さんは呆れ顔でやってきた
長男の整形外科の響先生はたしか65だったから
もしかして60代
奏太さんの若々しさに加奈はビックリ

紳士的な身のこなしは流石たえさんの息子

次男さんから名刺をもらって色々話をしてみると加奈とも気が合って、話は弾み採用された

「響次は?来ないの」

「ああ父さんはこないよ。急な打ち合わせが入ったんだ」

どうやら奏太さんは代理できた響次さんの長男らしい


だろうな見た目、若すぎだもん奏太さんは33歳だった、加奈は納得する。

話はポンポンと進み加奈は隣県の方の事務所に決まった

ぎっくり腰の時も仕事探しにしても妙さんにはお世話になってばかり
「妙さんありがとうございます」

フフッ「友達が困っているんだもの
助けるのはあたりまえよ
それに袖振り合うも多生の縁って言うでしょ」

奏太さんは
「年の差友達がいるなんて流石に婆ちゃんだ」と絶賛した

鰻をほうばりながら

「でしょう」

とエッヘンと胸をはる
妙さんと奏太さんが明るく笑う

来週月曜日からの出社になった

3月の確定申告に間に合わせるようにとの事でまだ12月初めだから
セーフちゃあセーフ

荷造りは武のマンションからもちだしたまま
箱詰めされているからそのまんまで楽勝

向こうで響次さんが単身用のマンションを手配してくれた

武のくれた冷蔵庫と簡単な荷物はやはり軽トラで加奈は身軽にアパートを出発

気がかりなのは蛇太郎蛇太郎の為にアパート契約はそのまま

度々帰ってくればいい
月1万の部屋代だから蛇太郎がかりてるようなもんだ、ボロボロだけど私の生活をささえてくれた名残惜しいのはあたりまえ、

しかし仕事しないとこの部屋代も払えない厳しい現実がある預金はあるが長い人生何があるか分からない

蛇太郎はすぐホームシックになるから連れて行けない、ここが1番いいのだろう

加奈の人生に蛇太郎を巻き込んではならない
野生は野生な生き方が一番合ってる

そんな気持ちになった
あの日から武からは連絡が無い
やはりそういうことなんだろう

それから慌ただしく2ヶ月が経った
加奈は仕事にも慣れて来て妙さんも遊びに来てくれるようになった
蛇太郎の様子もよく見に行ってくれるがまだ3月上旬

蛇太郎はまだ冬眠しているらしい姿が見えないようだ

武の事も忙しさで思い出すこともなくなった。

そしたら絵里香から着信があった

「もしもし加奈ちゃん武とは上手くいってる?最近会ってないようだけど」

どうやら武は成り行きを話していないようだった

加奈もスッカリ忘れていた申し訳なさもあり
生きる為の準備に追われ
て慣れない仕事に一生懸命で連絡を忘れてしまった事を誠心誠意謝った

武の事も加奈は事細かに説明した
婚約は解消した事
引っ越したけどもう関わりたくないこと絵里香は納得したように

「愚弟がごめんなさい」

そう誤っくれて加奈はやっと武との縁が切れたと感じた。

住み心地の良い単身用のマンションは警備が手厚くて安心、心にゆとりができたようで、暇なやすみには寝てばかりいないで自分磨きを始めた。

ついでに加奈は料理が出来ない事を反省していた

少しづつ動画を見ながらだが加奈の料理の腕は上がって行った

加奈はやればできる子だった。

「こら、武、加奈と別れたって聞いたけど」

武がキャバクラで楽しく遊び呆けているのを絵里香は知っていた。

武が遊んでいるキャバクラに絵里香は乗り込んだ

メンバーは島ちゃん
戸谷直哉、山形 敦に聡
シャンパンタワーで大盛り上。

絵里香より随分年下の女の子にかこまれて皆 御満悦

「加奈ちゃんが知ったら泣くわね」
武はそんな絵里香の忠告にもビクともしない

「姉ちゃん
俺と加奈は関係なくなったんだ放っておいてくれ」

「そうみたいね
引越しもしたみたいだし」

「えつ(꒪꒫꒪ )引越し?」

「そう加奈ちゃんどっか行っちゃったみたいね」

シャンパンタワーに調子づいてドンペリを注ごうとした武の手が止まる

「もう年頃だし結婚するかもね」

「())𝙃𝙪𝙝????結婚加奈がアハハナイナイあのケチが笑笑」

「今頃売れ残った惣菜を狙っているよ」

「何それᐡ⸝⸝> ·̫ <⸝⸝ᐡキャハハ」
女の子達と武達はウケたのか大笑い

絵里香はダメだと思ったのか出て呆れ果てて出て行った。

今日はホワイトデーだ
羽目を外すのは若い子だから仕方がない

絵里香が帰った頃から武のテンションが下がった

「俺、用事思い出したから帰るワ」

そう言うとゴールドカードで支払いをすませ店を出た所でタクシーを拾ろうと加奈のボロッチイアパートまで走らせた

「まさか加奈が俺に黙って引っ越す訳が無い」

そう同じセリフを呟きながら心はソワソワ

着いたと同時にタク
シーから飛び出した

オンボロアパートを見上げると加奈の部屋には明かりが着いていた
武はホッと胸を撫で下ろす

「やっぱり姉貴の嘘か‼」

ムカつきながら加奈の部屋に向かう

「はーい」

インターホンなんて上等な物は無いからノツクする何時もの気が抜けたような加奈の返事が来る

「なんだー武か
何しに来たの?」

「来たらわるいんか」


加奈は時計を見ると
「あ、こんな時間だ帰らなきゃ」

明日も仕事がある
蛇太郎に卵を食わせにきただけだけどいなかった

「かえる?って?
どこに?」

武は顔がサーっと青くなる

「へ?マンションだよ引越したからね」

「え?俺に黙って引越したのか?なんで」
加奈こそ不思議な顔をする

「なんでってなんで武に言う必要あんの❓
もう引っ越して約1年経つし別にどうでも良くない?」

そう言われて武の心はザワついた

「は、半年も?今何処に居るんだ」

加奈は呆れ顔で
「別に言う必要なくない、赤の他人に」

武は加奈の手を引き寄せ

「赤の他人、俺達の事か?」

加奈はニヤつきながら武の胸を押しながら指を指す
「👉赤の他人はあんたと👈ワタシよ」
武の顔は絶望の色になる。

「なんやらかんやら
色々とおせわになりました、貴方にも良い御縁があるといいわね」

それを聞いてハッとする

「カ、加奈には良い縁があつたのか?」

「ま、あ、あねぇ〜🎶
どうだろうなぁ~!」
と思わせぶり
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