透明なエンゲージリング
「俺、イタリアで行きたいところいっぱいあるんだ!コロッセオも見たいし、ピサの斜塔にトレビの泉も見てみたい。本場のピザとかパスタ食べたいし、ゴンドラも乗りたい。……エミリー、一緒に行こうよ」

「リオン……!」

エミリーがリオンに抱き付く。互いの体に腕を回した。目の前にある温もりがただ愛おしい。

奇跡を、リオンはただ願った。



数年後。リオンの姿はフィレンツェの教会にあった。

「……エミリー、君と約束した場所についたよ」

微かに揺れたペンダントに触れた後、リオンは教会のドアを上げる。目に真っ先に飛び込んできたのは美しいステンドグラスだった。祭壇まで長いバージンロードが続いている。

「綺麗だね、エミリー」

そう言いながらリオンはペンダントを開けた。そこには、笑顔のエミリーの写真が入っている。その写真をリオンは撫でた。刹那、涙が溢れていく。

結婚の約束をして数ヶ月後、エミリーは家族とリオンに見守られながら、静かに天国へと旅立った。エミリーに奇跡は起きなかった。しかし最後の一秒まで、リオンは奇跡を信じていた。

(ここにエミリーがいたらどんな顔をしていたのかな)

ウェディングドレスを着た彼女は、きっと世界で一番綺麗だったのだろう。リオンはその場に崩れ落ちながらただ涙を流す。そして、エミリーがここにいたらきっと彼女も言っていたはずの言葉を言った。

「愛してる」
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