いきなりの婚約破棄からはじまる幸せ確定IFルート
 いきなり婚約破棄された私は、とにかくあの場を去らなければと会場の扉から出て来たものの、ここからどうするべきか悩んだ。

 だって、ロベルトに迎えに来てもらっていたので、カーター家の馬車に乗って城へとやって来たけれど、彼に婚約破棄されてしまった今の私には、カーター家の馬車に乗る資格はないもの。

 だとすると……モートン家の馬車を呼ぶしかないわ。けれど、どうやって呼べば良いかしら。

 まさか、今夜婚約破棄されるなんて思いもしなかったのだから、何も考えていなかったわ。

 ……いえ。

 誰か好きな人が出来たからという婚約解消だとしても、私は何の条件も付けずに頷いたのに……今更だけどロベルトったら、何を考えているのかしら。

 とは言え、何もかも、もう時既に遅しよ。

 こんな風に婚約破棄されても、不都合があるのは女性側だけで、男性側であるロベルトは、今夜からでも誰かに求婚することが出来るのよ。

 そして、私は何かに問題ある貴族令嬢とされてしまい、求婚者なんて現れるはずもない。

< 3 / 20 >

この作品をシェア

pagetop