身代わり聖女になったら、なぜか王太子に溺愛されてます!?
カイゼルはエリシアに歩み寄る。
「俺の気持ちは何も変わっていない。俺の妻となり、生涯俺のそばにいると誓え」
「殿下……」
「おまえは修道女になりたいと言ったが、俺はそうはさせたくない。さすがの俺も、神をライバルに持つのは荷が重すぎる」
カイゼルは頼りなく眉を下げると、エリシアのその真っ白な左手を持ち上げ、手の甲にそっと口づける。
「俺と、結婚してくれ」
目をあげたカイゼルと見つめ合うが、エリシアの心の中にはまだ迷いがあった。
「でも……、私に殿下の隣で生きる資格があるのか……」
「何を言うか。おまえは今回の件で尊い行いをした。ルイが回復できたのも、おまえのおかげだ。何より多くの人々を救った。父王も母王もおまえを認めている。誰も結婚に反対はしない。それとも何か、おまえは俺と生きるより、神に身を捧げたいのか」
エリシアの瞳は揺れた。修道女になりたいと願った日に、どれほどの覚悟があったというのだろう。中途半端な思いが、カイゼルを苦しめている。それは、エリシアが願っていないことだった。
「私はその……誰かの役に立ちたいんです」
それは以前にもカイゼルに伝えたことだ。彼は優しい目をして、黙ってエリシアの言葉に耳を傾けている。エリシアは勇気を出して、続けた。
「カイゼル殿下のそばで、それを叶えられたらうれしいです」
彼とならできるのではないか。理想とする未来を、幸せな日々を。いや、彼とでなければ、きっと叶えられないだろう。
エリシアはそっとカイゼルの手を握り返す。彼はようやく安堵したように朗らかに微笑み、高らかに宣言する。
「約束しよう。エリシアは俺のそばで常に生き、この国と俺の希望になることを」
【完】
「俺の気持ちは何も変わっていない。俺の妻となり、生涯俺のそばにいると誓え」
「殿下……」
「おまえは修道女になりたいと言ったが、俺はそうはさせたくない。さすがの俺も、神をライバルに持つのは荷が重すぎる」
カイゼルは頼りなく眉を下げると、エリシアのその真っ白な左手を持ち上げ、手の甲にそっと口づける。
「俺と、結婚してくれ」
目をあげたカイゼルと見つめ合うが、エリシアの心の中にはまだ迷いがあった。
「でも……、私に殿下の隣で生きる資格があるのか……」
「何を言うか。おまえは今回の件で尊い行いをした。ルイが回復できたのも、おまえのおかげだ。何より多くの人々を救った。父王も母王もおまえを認めている。誰も結婚に反対はしない。それとも何か、おまえは俺と生きるより、神に身を捧げたいのか」
エリシアの瞳は揺れた。修道女になりたいと願った日に、どれほどの覚悟があったというのだろう。中途半端な思いが、カイゼルを苦しめている。それは、エリシアが願っていないことだった。
「私はその……誰かの役に立ちたいんです」
それは以前にもカイゼルに伝えたことだ。彼は優しい目をして、黙ってエリシアの言葉に耳を傾けている。エリシアは勇気を出して、続けた。
「カイゼル殿下のそばで、それを叶えられたらうれしいです」
彼とならできるのではないか。理想とする未来を、幸せな日々を。いや、彼とでなければ、きっと叶えられないだろう。
エリシアはそっとカイゼルの手を握り返す。彼はようやく安堵したように朗らかに微笑み、高らかに宣言する。
「約束しよう。エリシアは俺のそばで常に生き、この国と俺の希望になることを」
【完】


