それは麻薬のような愛だった
——これから、どうしよう…
咄嗟に風邪と言って誤魔化してしまったが、このまま隠してはおけない。
悪阻もいつ落ち着くか分からないし、親や職場にも話さなければならない。
きちんと話をして別れようと思った矢先の出来事。未だ整理はつかないし、かといって時間をかけたところで意味はない。
都合の良い女でいよう、どう思われてたって構わないと思っていた。
けれどやはり汚れた女だと、嫌われ軽蔑されるのだけは耐えられそうにない。
此処に来た時に見せた伊澄の自分を心配する表情を見て、雫の心は酷く揺らいでいた。
よもや妊娠を告げれば応じてくれるかもしれない。このまま離れる決断をしなくても良いかもしれない。
そんな浅はかな期待を抱いていると、ポンと短い音と共に放置された伊澄のスマホの画面が光った。
何の気無しに見てしまった画面。
そこに映し出された通知の内容に、雫の目の前は真っ暗になった。