それは麻薬のような愛だった
いつのまにか高校生活も2年目が半分以上過ぎ、季節は冬。
冬休みを目前に期末テストを無事に終えたクラスの面々は、クリスマス前という事もあって浮き足立っていた。
「伊澄〜!うちらこの後打ち上げにカラオケ行くんだけど、伊澄も来ない?」
2年で文理に別れ、伊澄と同じクラスとなった雫は教材を片付けながら離れた位置にいるというのに勝手に聞こえてくる声につい反応してしまった。
そっと視線を向けると、スカートの長さを限界まで短くした他クラスの女生徒がわざわざ伊澄を呼びにクラスまでやってきていた。
「行かね。眠ィ」
「え〜行こうよ!伊澄がいないとつまんない!」
猫撫で声を発するキラキラ女子を足蹴にしながら、伊澄は懐に手を入れ椅子に体を預ける。
あからさまに鬱陶しがられているにも関わらず、胸元のボタンをギリギリまで開いた女生徒は身を乗り出しながらぴょんぴょんと跳ね、なおも食らいついている。
それを見ながら、雫は本当に眠そうだなと他人事のように思っていた。
来年度には受験を控え、選抜クラス入りがほぼ確定している伊澄は毎度成績は上位から落ちたことはない。
そんな伊澄でもテスト前はきちんと勉強をしているのか眠そうにしているが、今回はまた一段と気怠気な雰囲気を放っている。