それは麻薬のような愛だった
「作んの手間じゃねえの」
「慣れたらそうでもないよ。丁度クリスマスだし、そのプレゼントってことで」
深い意味は無いし、断られたらそれはその時だと軽い気持ちで言った。けれど伊澄はそれほど間をおかず「なら頼むわ」と言った。
拒絶されなかった事に嬉しさを感じ、雫の顔は綻んだ。
「分かった。じゃあ後で軽く採寸させてくれる?」
「おー…」
伊澄は間延びした返事を返し、マフラーに顔を埋めた。そしてちらりと雫を見下ろし、問いかけた。
「お前は?」
「ん?」
「欲しいもん。なんかねえの」
「…私?」
どうして?と雫が聞き返せば、伊澄は表情を変える事なく答える。
「俺だけが貰うのはフェアじゃねえだろ」
「…でも、」
「俺もなんかやる。何でもいいけど常識の範囲内にしろよ」