それは麻薬のような愛だった
言うなりすぐにまた唇が喰まれ、舌でなぞられる。そして顔が離れたかと思うと、伊澄は蕩けんばかりに微笑んでいた。
「いつまで経っても俺が好きで、キスするだけですぐに赤くなるとこ。その顔見ると…嬉しくて堪んなくなる」
伊澄の言葉通り、雫の顔は真っ赤に染まっていた。出産を終えて以降、伊澄が何かとキスをしたがるのはそういう事だったのかと、雫はこの時初めて知った。
混乱と羞恥でいっぱいになっているうちに再びキスを落とされ、そのまま押し倒される。
艶めかしい水音を立てながら何度も舌をまじ合わせていると、はだけたドレスを肩からなぞるように下ろされた。
少しだけ体を跳ねさせると、伊澄はようやく口を離す。そして伺うように、労るように雫へ尋ねた。
「…ここじゃ嫌か?」
少しばかり切なげな言葉に、雫は首を振る。
確かに辛い記憶が残る場所だけど、伊澄の心を聞いた今、その上で伊澄のことを心から愛している今、嫌だとは欠片も思わなかった。
「ただ…紬達が帰ってくるかもって…」
「今日は雫ん家に泊まる予定にしてたからあっちに帰るだろ。雫が嫌じゃねえなら…このまましたい」
愛しげに見つめられる視線に、脳が溶けそうな感覚に陥る。
言葉の代わりに雫は手を伸ばし、伊澄の首元に腕を回した。見つめれば返される眼差しに、確かに伊澄からの愛を感じた。
再びゆっくりと唇が重なる。その間にドレスは脱がされ、上半身が露わになった。伊澄は下着のフロントホックを外すと、そのまま柔らかな膨らみに顔を埋めた。
「んっ…」
桃色の頂に舌が這い雫の体はぴくりと跳ねる。そのまま執拗に舐られ雫の頬が赤に染まりだすと、伊澄の手はスカートの裾から中へ侵入しショーツと共にストッキングをゆっくりと下ろした。
それが指先から抜けると同時、雫も何もせずにはいられまいと伊澄のシャツに手を伸ばすが、それは緩やかに阻まれた。