それは麻薬のような愛だった
「ありがとー」
間延びした声を上げてグラスの水を飲み干すと、少しばかり酔いが覚めたのか「ぷはあ!」と言いながら壁に寄りかかった。
「雫はどう?学校楽しい?」
「うん、まあそれなりに」
「雫の学校は都会だもんね〜遊ぶところ沢山あっていいなあ」
「確かに。ただ誘惑が多い分、流されないように必死だよ。この間も必修科目なのに遅刻しかけてヒヤヒヤした」
「まじか!あの真面目一辺倒の雫がね〜」
けらけらと笑う友人の言葉に雫は思うところを感じる。そんなに真面目だっただろうかと。
ガリ勉というほどいつも机に向かっていた訳でもないし程々に友達付き合いはしていた。ただ、地味だというだけで。
——それに…
ちらりと人だかりの中心にいるであろう伊澄を見やる。
本当に真面目ならば、セフレなんてふしだらな真似はしないだろう。
「お待たせ〜。何話してたの?」
間も無くしてもう一人の友人がお手洗いから帰ってくると、酔いのすっかり落ち着いた友人がにやりと笑った。
「雫が不良になっちゃったって話」
「え?なにそれ詳しく」
「待って。語弊しかないんだけど」
なんだかんだと色々な話題で盛り上がっているうちに時間は過ぎていたようで、ビンゴゲームが始まった。
言うまでもなく雫は参加賞。対して伊澄は1等の遊園地のペアチケットが当たっており、それだけでも伊澄の勝ち組人生が垣間見えた。