それは麻薬のような愛だった
「雫〜、大丈夫?」
体を支えてくれていた美波の声がする。酔ってはいるが一応は歩けてはいるため、雫は彼女の肩を借り店を出た。
どうやらこのまま数人は二次会に向かうらしく、先に帰宅すると言った雫には美波がタクシーを呼び、その前まで付き添ってくれた。
「ん、大丈夫だよ〜これ乗って帰るだけだし」
「本当に平気?自宅の住所言える?」
「部屋番号までちゃんと言えるよー。大丈夫!そんな事より、二次会行くんでしょ?ここまで肩貸してくれてありがとう。私のことはいいから、美波は楽しんできてね」
雫がそう言い笑顔で手を振れば、正気を保った様子に少し安心したのか美波も小さく笑い、離れた場所で待っていたメンバーの元に駆け寄っていった。
そのまま雫はタクシーに乗り込み、自宅の住所を告げる。そして軽く息を吐きながら背もたれに寄りかかった。
久しぶりに飲み過ぎた。頭がふわふわする。
車の揺れが妙に心地よく、睡魔に負けないようにと思い鞄からスマホを取り出せば、丁度いいタイミングで着信が入った。
「はーい、もしもしー」
発信者を確認するより先に間伸びした声で電話に出れば、地を這うような低音が雫の耳を刺激した。