『ゴールデンゴール』
31

時間を掛けて丹念に10本の指がじわじわと太腿に向けて這い上がってくる。

『気持ちいい~』

緊張が取れてくるとまた気持ち良い時間に変わっていった。

いたずらに下着の中に指を忍ばせるようなことはしないという彼に対する
信頼があればこその、快感だった。

ちょうどいっそ下着の中も触られてもいいほど気持ちが上がった頃に
突然彼からの指示が出た。

「じゃあ、ちょっとベッドから降りてもらえますか」

その言葉で私がベッドから降りるとまた彼の指示がとんだ。


「はい、壁に向かって立ってみてください。
そう、僕にお尻を向けた格好で立ってみてください」


私が胸を隠していたタオルがそっと彼の手によって剥ぎ取られ、ベッドの上に
投げられた。次、胸に触れますね。


言ってから彼が胸を優しくソフトにやわやわと揉み始める。



「失礼しますね、ちょっと僕のを押し付けちゃいます」

そう言うと私がいいと言ってないのに彼は固くなった分身を押し付けてきて
腰を使い始めた。


「加納さん? リラックして怖がらなくていいから。
相手が僕じゃなくて旦那さんだと思ってリラックスして、
身体に気持ちを乗せてね」

「……」

う~ん、よく分からないんだけど。
結局は私はやられちゃうのかしら? 

このまま何だかんだと質問なんかしていたらこの流れは止まり、きっと私の
欲っしている時間(モノ)はするりとこの腕から零れ落ち、二度と手にすること
ができなくなるような気がした。

不思議と彼だと嫌悪感を感じない。

だから、私は肯定もしないけど拒否の言葉も発っしなかった。
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