愛は花あられ
そのあと、化粧をして仕上げにヘアオイルを髪の毛に馴染ませていると、スーツに着替えた師道社長がわたしの横にやって来て、ネクタイのチェックをしていた。
スーツを着ると、顔つきが変わる師道社長。
やはり仕事モードになると、雰囲気が変わるし、かっこ良いなぁ。
「さて、妃都。そろそろ行こうか。」
「はい。」
そしてわたしたちはバッグを持ち、家を出た。
一階に到着し、タワーマンションを出ると目の前には既に香川さんの車が停まっていた。
後部座席に乗り込むと、香川さんはいつものように「おはようございます。師道社長、奥様。」と言ってくれる。
「おはよう。」
「おはようございます。」
そう挨拶を済ませると、香川さんは車を発進させる。
すると、師道社長が「ねぇ、香川。」と香川さんに声を掛けた。
「はい。」
「今日なんだけど、ちょっと会社に残るから、帰りは先に妃都だけ家まで送ってくれないか?」
師道社長の言葉にわたしは「今日は残業ですか?」と訊いた。
「残業というか、まぁね。」
師道社長はそう言うと、「香川、頼むよ。」と言い、香川さんは「承知致しました。」と返事をしていた。