歪んだ月が愛しくて2



「それでは気を取り直して体育祭の種目を決めたいと思います」



中断後、葵の進行で体育祭の種目を決めることになった。
体育祭の種目は障害物競争、借り物競争、パン食い競争、騎馬戦、100メートル走、1000メートル走、クラス対抗リレーの7種目から選択する。
それぞれの種目に定員人数は決まっているものの1人何種目と決まっているわけではなく、その中でも騎馬戦だけは全員強制参加のため否が応でも参加しなくてはならないらしい。



「それでは少しだけ考える時間を設けます。まだ決まってない人は近くの人達と相談してみて下さい」



そう言い残して葵とみっちゃんが自席に戻って来た。



「さて、今年は何に出ようかな」

「俺はパン食いと借り物!」

「言うと思った…」

「俺も借り物!」

「汐は障害物じゃん」

「確かに汐にピッタリかも」

「じゃあ遊馬も道連れな」

「は?俺も?そう言うのは汐の専門分野だろう。それに藤岡くんに良いところ見せるチャンスだし」

「なっ!そ、そう言うことはもっと小さい声で言えよ!藤岡くんに聞こえたらどうすんだよ!」

「(否定しないんだ…)ま、出るのは構わないけど」

「どうでもいいが、出るからには分かってんだろうな?」

「勿論です。必ずあの方に恥じぬ結果を残してみせます」

「俺達が負けるはずないよ!」

「ならいいが」



時折、頼稀達の雰囲気が変わる。
それに汐と遊馬は頼稀に対してだけ何故か言葉遣いが丁寧だ。



弱みを握られてる?

いや、そんなんじゃない。

もっと尊敬に近い何かを感じる。



「希くんは100メートル走とかどう?去年も出てたし足も速いじゃん」

「それを言うなら頼稀と未空の方が足速いぜ」

「おい、こっちに振るんじゃねぇよ」

「いいじゃん。どうせ今年もリレーに選ばれるんだからさ」

「そうそう。人間諦めが肝心だよ。俺と一緒に青春の汗を流そうぜ!」

「………」

「無視はやめて!」


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