歪んだ月が愛しくて2



「葵とみっちゃんは決まったの?」

「僕も未空くんと一緒に借り物にしようかな。去年もそうだったし」

「僕は出ないよ」

「え、出ないの?」

「当たり前だろう。僕の武器は(こっち)、君達みたいな体力バカと一緒にしないでくれる?ま、騎馬戦には出てあげるけど」

「そう言うのもありか…」



俺もそうしようかな。



「ダメ!立夏くんは騎馬戦以外にもちゃんと出てね!」

「何で?俺もみっちゃんみたいに騎馬戦しか出る気なかったのに」

「ダメだ。お前にはリレーに出てもらう」

「リレー?」

「クラス対抗リレーは体育祭のメイン競技なんだよ」

「クラスで選ばれた5人で1人100メートル走ってアンカーだけが200メートル走るの」

「しかも体育祭のメインだからポイントも高い」

「ポイント?」

「体育祭だからね。全学年のSからDのクラス別で競うんだよ」

「つまりうちはC組だから1年から3年のC組が一つのチームになって余所のクラスと競うんだよ。優勝したクラスには毎年豪華な景品が貰えるんだぜ」

「でもチームの優勝が出来なくても一番ポイントを獲得したクラスには特別賞がもらえる可能性もあるから皆リレーには力を入れるんだ」

「ふーん…」



体育祭は毎年6月下旬に行われ約2週間の練習期間が設けられる。
この時期に体育祭の種目決めをするのは豪華景品が目的ってわけか。金持ちなんだから金で釣られるなよな。



「だからお前はリレーに出ろ」

「俺が?何で?別に足速くないんだけど」

「速ぇんだよ。自分では気付いてないだけだ」

「確かにリカって運動神経良いよね。新歓の時も凄かったし」

「別に普通だと思うけど…」

「にししっ、立夏はリレー確定だな」

「頑張ってね、立夏くん」

「フン、負けたら承知しないからな」

「え、ちょっと待って。本当に俺がリレー?無理だって」

「無理じゃない。寧ろお前以外にはいない」

「藤岡くんがリレー!?ハイハイ!だったら俺もやる!やらせて下さい!」

「汐抜駆けすんな!リカは俺とリレーに出るんだよ!」

「俺だっていいだろう!C組の中じゃそこそこ足速い方なんだから!」

「リカにちょっかい出さなかったらね!」

「お前だっていつまでも藤岡くんにベタベタすんなよな!」

「俺はいいの!」

「じゃあ俺だって!」



……煩い。


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