歪んだ月が愛しくて2



熱くて。

頭が蕩けそうで。



早くこの熱から解放されたくて、もうそれしか考えられない。



「……ん、…っ」



傷付き易いものでも扱うような丁寧な手付きで脇腹を撫でた後、会長の手が左胸に置かれた。



「あ…っ」



服の上から乳首を引っ掻かれると、はしたない声が唇から零れる。
更に指先で摘まれ捏ねられれば嫌でも下腹部が反応する。
会長の指が辿った肌が可笑しいくらいに粟立つ。



「はっ……ん、あぁっ…」



会長は服を脱がせながら俺の身体に舌を這わせている間も胸への愛撫を忘れない。
こんなところ執拗に触ったって男の俺には意味ないのに…、と内心思いながらも会長の愛撫に翻弄され自然と声が上がる。
舐められ、噛まれ、硬くなった胸の中心を弄り、骨腰を辿り、背骨に沿って尾骶骨までなぞっている。



「…っ、う……ん…」



耳の後ろを舐められ、唇を噛んで声を殺した。
縋り付くようにシーツを掴み、抑えられない声に羞恥心を抱きながら少しの刺激にさえ反応してしまう。
息が詰まりそうなほど苦しくて、その感覚から逃げたくて堪らないのに、触れて欲しくてもどかしい。
際限なく繰り返される疼きは一体いつまで続くのだろうか。



「声、出せよ」



首筋に吸い付かれて、背筋が甘く痺れた。
堪らず身体を捻って逃れようとすると、会長は俺の下肢を掴んでズボンの中に手を入れた。



「ちょ、まっ」

「待たない」

「ひ、あっ…」



下着越しに触れて来る掌の熱さに身体が竦む。
既に硬くなりつつある性器をゆっくりと撫でられ摩られると、急激に体温が上昇し身体から力が抜けていく。



「や…やめ……ぁ、ああっ」



血液と神経が一点に集中し、意識すればするほど感覚が鋭敏になり、会長の手で弄ばれている自分のものが更に昂っていくのが分かる。



「我慢しなくていい」



耳の後ろに小さなキスをされながら囁かれると、頭の中に会長の甘い声が反響する。
堪らず目を閉じた途端、布越しに先端を撫でられヒクヒクと下腹部が痙攣した。



「や、だ…っ」



嫌々と首を振って訴えても、会長は無視して敏感なところを容赦なく責め立てる。



彼女がいる人とこんなことしちゃいけない。
そんな当たり前なことは当然分かってるのに、その卑猥で淫らな会長の指が俺の理性をどんどん追い詰めていく。



「あ……あ、ふっ…んんぅ…っ」



強引なくせに優しくて丁寧な愛撫は、身体の奥に疼くような熱を生み出していく。
俺の身体を支えるようにしていたもう一方の手がゆっくりと動き出す。
そして胸の尖りを探し当てると、円を描くように撫でて愛撫を再開した。
神経が鋭くなっているせいで、胸の突起は些細な刺激だけで芯を持ってしまう。



「立夏…」



鈍く痺れるような感覚が走る。
胸の突起を指先で押し潰され、またすぐに撫で回されると下腹部がズキズキと疼いた。
耳朶を甘噛みされ、ふぅっと鼓膜に息を吹き掛けられると内腿が強張り下肢に力が入る。



「やっ、あ……あぁああ…っ!!」



そして何度か先端を撫でられた後、ビクンッと身体を震わせて会長の手の中であっさりと達してしまった。
下着の中に吐き出したせいで気持ち悪いが、今はそんな悠長なことを考えている余裕がなく、絶頂の余韻から身体の震えが止まらない。



頭の中が蕩けて可笑しくなりそうだった。


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