歪んだ月が愛しくて2



「何?りっちゃんのお友達?」

「んなわけないでしょう」



6人が俺を取り囲むと意外にも1人ずつ襲い掛かって来た。
次から次へと繰り出される攻撃を必要最低限の動きで避け、意識を失わせない程度に反撃する。



「助けた方がいい?」

「逆に陽嗣先輩の目から見て必要そうですか?」

「いんや、いらねぇな」

「じゃあそこで大人しくしてて下さい」

「いやん、りっちゃん男前♡」

「クソッ、ナメやがって!」



最初に膝カックンしてやった奴が攻撃を仕掛けて来た。
一発一発の間隔が短いパンチを左右に身体を傾けながら避ける。
この中だとコイツが一番ガタイが良くて動けるようだ。
この体格から繰り出される拳をまともに受けたら相当痛いだろうな。
でもあくまでこの中での話。
コイツくらいの奴は外に出れば五万といる。



「チョロチョロと逃げてんじゃねぇ!」

「じゃ、お言葉に甘えて」



相手が疲れて来たところを見計らって鳩尾目掛けて強めに蹴りを入れた。
激しく咳き込む男は苦しいそうに腹を押さえながら地面に膝を付いた。



「ゲホッ、ゲホッ、く…っ」



これで最後か。
予想以上に呆気なかったな。
それにしても襲って来た連中に見覚えがない。



何者だ、コイツ等?



「何で襲って来た?」

「………」

「お前等に恨まれる覚えねぇんだけど。てかおたくら誰?」

「、」

「俺が知らねぇだけ?それとも影が薄くて印象に残ってねぇのかな?」

「くっ、」



一向に口を開こうとしない男達。
でも所々反応してるってことはもう少し揺さぶれば何か吐いてくれそうだな。



「……ああ、そうか。我孫子の指示か。アイツトップのくせに下の管理も出来ねぇんだな」

「っ、黙れ!」

「我孫子さんは関係ない!………あ」

「バカッ!」



ビンゴ。やっぱりGDのメンバーだったか。
俺を狙って来たと言うことは、前にトイレで襲って来た奴や足掛けて転ばした奴もこの中にいたりすんのかな。正当防衛なんだけどなあれ。



「気に入らねぇんだよ!覇王のお気に入りか何だか知らねぇけど転入生の分際で目立ってるテメーが!」

「しかも我孫子さんにまで気に入られて…、どんな汚ぇ手使ったんだよ!?」

「俺達だって碌に話せねぇって言うのに!」

「我孫子さんはこんな眼鏡ブスのどこがいいんだよ!」



つまり嫉妬ですか。
俺が我孫子に気に入られていると勘違いした奴等が襲って来たと。



(くっだらねぇ…)



身構えて損した。
でも親衛隊関係じゃなくて喧嘩売られるのは珍しいな。
だからって我孫子に気に入られてるって…、何をどう見たらそんな妄想が出来るんだよ。


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