ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
 いつになるかわからないことを決め事みたいに守って……もっと気楽に行っておけば良かったのにそう決めてしまってひとりその目標に縛られた。するともう行くタイミングを逃してしまって今に至る。

「そこまで大事にとっておいたの……俺とでいいわけ?」

「……安積さん、朝からまた告白の嵐を聞きたいんですか?」

「ごめん、いい」

 手で制されてそんなに困るのかと吹き出してしまう。気持ちを問われたら暴走したように好きを連呼する私に安積さんが困っているのは知っている。いくらでも伝える気でいるのにな……は飲み込んだままだ。

「水族館デート……したいです。ダメ、ですか?」

 伺うように聞いたら少しの沈黙の後に笑って頷いてくれた。

「外で待ち合わそうか」

「え?」

「一旦帰るだろ?」

「……」

 確かに服は昨日の職場で着た服しかない。デートするには味気ない服装である。

「デートなら待ち合わせじゃない?」

「……っ!」
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