ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
 全然わかってない!

「今日だってそんな……」

「え?」

「眼鏡……してないし」

 安積さんは眼鏡を取ったら百倍増しでカッコよくなる気がする。ハッキリ言って直視できない。

「普段はコンタクトなんだよ? 仕事してるとパソコンばっかじゃん。目が乾くんだよな。コンタクトで一日過ごすのは辛くてさ。だから職場では楽な眼鏡にしてる」

 そんなまた知らない一面を知ってしまって嬉しさが増す。

「そうなんですね」

「土日出かける時はコンタクト」

「……」

 そういう横顔をジッと見つめて逸る鼓動。知っているのに知らない安積さんがいる。そこには上司じゃない、ひとりの男性がいるんだ。
 
「とても……素敵だと思います。もちろん普段の安積さんも好きだけど……特別感がすごくて、その……目のやり場に困ります」
 
 正直な気持ちを溢したらまた困らせるかも、そう思うものの黙ってられずに伝えてしまう。何か言わないと場が持たないのだ、それくらいドキドキが止まらずにいるから。

 だってまだ、安積さんの手が私の肩を抱いたままだから。

「それなら四宮もそうだろ?」

「え?」
< 120 / 248 >

この作品をシェア

pagetop