ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
 これは上司目線? 

 それともモモちゃんを見つめるような飼い主目線?

 それでもどっちだっていい、そう思った。

 安積さんに気にかけてもらえるなら、安積さんの手でかまってもらえるのならそれだけで幸せだから。

 そんなことを思いつつも現状は照れるのみ。安積さんに支えてもらってエスカレーターを降りた私は、体中で汗を噴いていたのだった。


 それからふたりで水族館を歩きながらいろんな話をした。

「転属希望はいつから出していたんですか?」
「三年くらい前かな。もともと海外出張も多かったから海外勤務の方が興味もあった」

 三年……私と働きだした頃にはもうそんな気持ちを固めていたのかと知り胸が渇くような気持ちになった。
 
「四宮は海外行ったことある?」

「一度もありません……」

「そう。韓国とかだったらさ、変に国内よりも安くで行けるし近いしなぁ。初めての旅行とかには手軽でいいかもな」

 優しい目で見つめられてドキリとして、頭の中で思っていることを悟られないようにパッと視線を外した。

(海外にさほど興味はないけど、安積さんが一緒ならどこでも行ってみたいな、なんて)
< 124 / 248 >

この作品をシェア

pagetop