ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
 きっとこういうところが子供なのだと思う。
 
 大人の安積さんには理解できないだろう、こんな幼い子供みたいな私のことなんか。

 誤魔化して否定できない年齢差という理由。

 でもやっぱりそれ以上に理由があるなら知りたい気持ちもあった。

 聞かせてほしい、そう告げたら安積さんはこぼしてくれるだろうか。

(今度はそれを理由に安積さんを困らせるの? 理由がほかにあるならそれで納得させてくれって?)
 
 誰にでも言いたくないことくらいある。そんなことは私にだって少なからずあるのだから。安積さんが理由を言わないのなら言いたくない事なのだろう。

 言わなくてもいい事で、言う必要がない、それだけのこと。

 だって、私との関係は時間が来れば終わるのだから。


「四宮」

 名前を呼ばれてハッとした。声の方に振り向いたら安積さんがそばにいた。
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