ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
「おはようございます」
二日も休むわけにはいかない。笑顔で安積さんのデスクに足を運び休んだことと心配をかけたことを詫びた。
「昨日はお休みいただいて申し訳ありませんでした。ご心配おかけしました」
「……いや。もう平気なの?」
「はい! もう元気です」
私はちゃんと笑えているかな? 自分で出来る精一杯の笑顔を張り付けてそう返事をした。
「休んだ分、今日はしっかり仕事します!」
そのまま席に戻ってパソコンに向き合った。午前中はメールの処理に時間を取られてタスク処理まで手が回らない。一日休むだけで余計な仕事も増えて嫌でも仕事に追われる。それでも今はそれがありがたい。何も考えなくて済む、目の前の仕事に打ち込んでいたら虚しさや切なさは感じなくて済むのだから。
気づくとあっという間に定時が過ぎていた。目の前で後輩が帰り支度を始めるのでそこで初めて時計を見た。
「先輩、病み上がりに集中し過ぎですよ?」
「……ほんと。びっくり、すごい集中してた」
「スケジュール表転送しておいたのでまたチェックお願いしていいですか?」
「うん、了解」
「先輩ももう切り上げてくださいよ?」
「え?」
後輩が私の声に眉を顰めて怪訝そうな表情を投げてくる。
「え、って。え? なんでですか? 忘れてます? 飲み会」
「あ……」
(忘れていた)
二日も休むわけにはいかない。笑顔で安積さんのデスクに足を運び休んだことと心配をかけたことを詫びた。
「昨日はお休みいただいて申し訳ありませんでした。ご心配おかけしました」
「……いや。もう平気なの?」
「はい! もう元気です」
私はちゃんと笑えているかな? 自分で出来る精一杯の笑顔を張り付けてそう返事をした。
「休んだ分、今日はしっかり仕事します!」
そのまま席に戻ってパソコンに向き合った。午前中はメールの処理に時間を取られてタスク処理まで手が回らない。一日休むだけで余計な仕事も増えて嫌でも仕事に追われる。それでも今はそれがありがたい。何も考えなくて済む、目の前の仕事に打ち込んでいたら虚しさや切なさは感じなくて済むのだから。
気づくとあっという間に定時が過ぎていた。目の前で後輩が帰り支度を始めるのでそこで初めて時計を見た。
「先輩、病み上がりに集中し過ぎですよ?」
「……ほんと。びっくり、すごい集中してた」
「スケジュール表転送しておいたのでまたチェックお願いしていいですか?」
「うん、了解」
「先輩ももう切り上げてくださいよ?」
「え?」
後輩が私の声に眉を顰めて怪訝そうな表情を投げてくる。
「え、って。え? なんでですか? 忘れてます? 飲み会」
「あ……」
(忘れていた)