ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
ここ最近、自分のことなんか後回しだった。悩む気持ちばかりで毎日はおざなりになっていた。予定なんか記憶からすっぽりと抜け落ちていたのだ。
「ごめん。じゃあ幹事に謝っておいてくれる?」
「任せてください~」
軽快に親指を立てて了承のポーズをとると軽い足取りで後輩はオフィスを出て行った。チームメンバーでの飲み会は定期的に開催されていて、コミュニケーションをはかる場として気楽に行なわれていた。
ほぼ若手ばかりの集まりで管理職などは当たり前に参加しない。あくまでも若手の親睦会である。だからオフィスはどんどんひと気が減っていく。それはつまり――。
(安積さんとふたりになってしまうかも……)
そんな状況、少し前の私なら小躍りして喜んだだろう。でも今は少し、いやかなり気まずい。
安積さんは十五時から打合せでずっと席を外していた。そろそろ戻ってくるかもしれない。
時計を気にしつつ戻ってくる前に帰ろうかな、なんてやっぱりチキンな私がいた。
そんな時だ。
「四宮」
「ごめん。じゃあ幹事に謝っておいてくれる?」
「任せてください~」
軽快に親指を立てて了承のポーズをとると軽い足取りで後輩はオフィスを出て行った。チームメンバーでの飲み会は定期的に開催されていて、コミュニケーションをはかる場として気楽に行なわれていた。
ほぼ若手ばかりの集まりで管理職などは当たり前に参加しない。あくまでも若手の親睦会である。だからオフィスはどんどんひと気が減っていく。それはつまり――。
(安積さんとふたりになってしまうかも……)
そんな状況、少し前の私なら小躍りして喜んだだろう。でも今は少し、いやかなり気まずい。
安積さんは十五時から打合せでずっと席を外していた。そろそろ戻ってくるかもしれない。
時計を気にしつつ戻ってくる前に帰ろうかな、なんてやっぱりチキンな私がいた。
そんな時だ。
「四宮」