ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
「電話が繋がらなくて、焦った」

「……」

「起きられないほどなのか、意識はちゃんとあるのか……心配した」

「す、すみません……じゅ、充電切れて忘れてて」

 咄嗟にそんな嘘をつくものの心の中はテンパっていた。

 (え? 電話くれたの? うそ、本当に? 心配して? 夜に? うそだっ……)

 鳴るはずがないと、待つ気持ちに耐えられなくて電源を切っていた。なのに安積さんは本当に心配して私に電話をくれていたのか。わざわざ、夜……それは本当に恋人みたいだ。

 高鳴る胸、それに言い聞かせる。自惚れるな、勘違いするな、人が好い安積さんじゃないか。きっと私以外にでもそうしているんだ。そう思わないとダメだ……思うのに。

「……っ」

 見つめてくる瞳がなんだか切なげに見えるから。

「四宮」

「……は、い」

「なんかあった?」

「……」

「俺のこと、避けてない?」

「……」

 問いかけてくれる声が優しい。

「何かあるなら……ちゃんと言え」

「なに、など……」

 もう言っている。十分過ぎるほど……。
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