ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
 好きだ。
 
 安積さんが好き。

 好きになってもらえない相手……たとえそうでも……私が好きなのだ、もうそれでいい。

 好きな人と……一緒にいたい。
 好きになってくれなくてもいい……今だけでもいい。

 一緒にいたい。

「一緒に過ごしてくれますか……」

 泣きそうな声で言ってしまった。視界は揺れているけど、こぼれ落ちてはいない。
 泣かない、絶対に泣かないから……その思いでお願いする。

「明日……私の誕生日……一緒に過ごしてほしいです」

「……もちろん。四宮のしたいことしよう。どこにでも連れていくよ」

「……本当ですか?」

 念押しで尋ねたらコクリと頷いてくれた。

「……ありがとうございます」

「もっと早くに言えよ」

「……本当に忘れてたから……」

 そんな言葉にフッと微笑む安積さん。さっきまでどこか気まずかった空気が解けていく。

 (違う……そうじゃない……私だ)

 私が、吹っ切れたのだ。

 好きな気持ちをもっと大事にしようって思えた。
 好きになってほしい、その気持ちは嘘じゃない。でも今は思う。

 (私が好きだから……一緒にいたいの)

 それでいい、そう思えたんだ。
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