ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
 忘れられることがたまらなく辛い。

 俺は……四宮を忘れることなど出来るわけがないのに。

 オフィスを離れる時間は迫っている。出来る仕事と引継ぎに追われて柳瀬にも付き合わせていた。


「とりあえずこの件は俺が引き受けるわ。あとは新部長に任せようかね」

「これはチームも把握してるしフォローさせられる」

「了解。あとは……まぁメールでも出来るか。他になんかある? 俺に託すこと」

 問われて少し考えるもののパッと思いつく案件がない。

「な、い……かな。それこそメールで出来るかも」

「あそ。じゃあ後は俺の判断に任させてもらおうかな、()()()()と」

「……いろいろ?」

「終わらせたんだろ? ボロボロになった彼女のフォローもちゃんとしてやるよ」

「……」

「いつまでも過去に縛られて自分の手で幸せにしてやりたいと思えないならそもそも手なんか出すんじゃねぇよ。さっさと切ることもせず、彼女の思いに甘えて……最後に彼女から突き放させて泣かせるな」
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