ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
 四宮には俺よりもふさわしい男がいる。そいつと一緒にいて幸せになった方がいい。

 その相手がもし柳瀬なら? 相手として申し分ないじゃないか。

 脳内でそんな気持ちは生まれる、それが悪いことだとも思わない、むしろ傷ついた四宮を包んでくれるヤツがいるならその方が――。

 頭ではわかるのに……。

「俺が彼女をもらってやるよ」
 
 その言葉にカッと来た。

「物扱いするな」

「捨てたじゃないか。お前こそ雑な扱いをしてる。相手のため、嘘だ。無理だと思ったら捨てる、お前こそ何様だ」

「勝手なことをしたのはわかってる」

「わかってない」

「わかって……っ」

「わかってるなら! どうして受け止めてやらない! 今も泣いてるのが分かっていて、どうしてそれを無視し続ける! 言い訳なんかいらないんだよ。お前の中で答えが出てるのにそれに逃げ続けるのが腹が立つんだよ!」

「……」

「過去に後悔があるなら、それを抱えるだけじゃなくて今度こそ間違えないように目の前の相手を抱きしめてやれよ。それを手放したら今度こそ本当に後悔するぞ」
 
 後悔なら……。
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