ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
 週末はただずっと悶々して、フトしたときに涙が滲んで。それも飲み込んだらムカムカもして。でもやっぱりどうしたって切なくて。振られた事実が苦しい。

 私ではダメなのだと、直接言われたのが堪えないわけがない、傷つかないわけがない。

 振られた――その事実を受け止めて……わかりましたと、どうしたって言えない。言いたくないのだ。

(安積さんの言う、色々ってなんだろう)

 一番の理由は年齢。私たちの歳の差、ひとまわりの差が一番の理由だと告げた。

 ほかにもなにかありそうだったがそれは一体なんなのか。歳以外の理由が知りたくなった。

 諦められるのならそれらを知ってからだ。年齢なんなかよりももっと納得できる理由があるのかもしれない。そう思ったら止められなくなってきた。
 
 一晩泣いて、色々思って、それでもやっぱり安積さんが好きだ。

 振られたってその気持ちは変わらない。

 離れることがわかっているからしがみついているのか。そう思ったところでその気持ちを変えることができない。


 しがみついてでも……離したくないんだ。
 
 離れていく人ならなおさら……離したくない。
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