ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
「四宮さん」
「は、はいっ!」
肩を叩かれてハッとして振り向いたら本部長がいた。
「す、すみません!」
「ううん、ごめん。何度か声かけたんだけど……」
ごめんね、と掌をパッと離されてこちらが恐縮する。何度も呼ばれても気づかず恥ずかしくなる。だって――。
「この間の会議で検討してた輸入スケジュールの件なんだけど……」
(安積さんに見惚れてたとかバレたら死ぬ)
咄嗟に頭を切り替えようとはするものの脳裏の余韻がひどい。まだ頭がリアルに追い付けなくて本部長――柳瀬さんの言葉が耳からすり抜けかける。
「はい、ええっと……スケジュールですよね」
データベースを開けてマウスをカチカチ動かしていたら背後から覗き込んでくる柳瀬部長が頷きながら言ってくる。
「うん、生産スケジュールでなく、中国からの輸入スケジュールね?」
「え? あ!」
自分が開けるスケジュール日程表が輸入スケジュールでないことを指摘されて体が跳ね上がった。
「す、すみませんっ!」
「ううん、大丈夫だよ~。でもなんだか心ここにあらずだね~。安積となんかあった?」
「え」
「は、はいっ!」
肩を叩かれてハッとして振り向いたら本部長がいた。
「す、すみません!」
「ううん、ごめん。何度か声かけたんだけど……」
ごめんね、と掌をパッと離されてこちらが恐縮する。何度も呼ばれても気づかず恥ずかしくなる。だって――。
「この間の会議で検討してた輸入スケジュールの件なんだけど……」
(安積さんに見惚れてたとかバレたら死ぬ)
咄嗟に頭を切り替えようとはするものの脳裏の余韻がひどい。まだ頭がリアルに追い付けなくて本部長――柳瀬さんの言葉が耳からすり抜けかける。
「はい、ええっと……スケジュールですよね」
データベースを開けてマウスをカチカチ動かしていたら背後から覗き込んでくる柳瀬部長が頷きながら言ってくる。
「うん、生産スケジュールでなく、中国からの輸入スケジュールね?」
「え? あ!」
自分が開けるスケジュール日程表が輸入スケジュールでないことを指摘されて体が跳ね上がった。
「す、すみませんっ!」
「ううん、大丈夫だよ~。でもなんだか心ここにあらずだね~。安積となんかあった?」
「え」