【完結】悲劇の継母が幸せになるまで
顔に傷を負ったクロエは『お前に価値はない』と、子爵家を追い出されてしまった。
彼女は愛人の子どもだったようで、ずっと虐げられてきたそう。
ギルベルトは放っておけずに引き取ることになった。
クロエは社交界の華と呼ばれるほどに美しい女性だったらしい。
だけど令嬢たちの嫉妬の的だったのだろう。
傷は治ったが顔の皮膚は引き攣れて、彼女はすっかりと塞ぎ込んでしまった。

だが、アンリエッタの存在が彼女を救っていった。
まだ幼いアンリエッタは何も覚えていないだろうが、クロエは笑顔を取り戻していく。
『母親として強くなるわ』
そう言ったクロエは化粧を使い傷をうまく隠した。
クロエは次第に快活になっていき以前の輝きを取り戻していた。

リリアンのようにはさせない。
今度こそ彼女を幸せにしようと結婚した矢先だった。
公爵夫人となったクロエは招かれたお茶会で毒を盛られたのだ。
犯人はすぐに捕まった。
クロエを傷つけ、彼女に嫉妬していた元令嬢たちの仕業だったのだ。
彼女たちはクロエからの報復を恐れた。
公爵夫人となった彼女が自分たちを恨み虐げ続けるのではないか。
社交界で安寧は訪れないと犯行に至ったのだ。

ギルベルトが駆けつけた時には彼女は息を引き取った後だった。
己の無力さを悔いた。
彼女たちは処刑されたが、クロエが戻ってくることはない。
アンリエッタはずっと泣いていた。
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