【完結】悲劇の継母が幸せになるまで
何人もの令嬢たちが処刑されたことで、彼女たちの生家や婚約者たちや夫があらぬ噂を流したのだろう。
クロエの傷のことや、医師の仕事を続けていることも相俟って人体実験をしていると噂が流れていく。

ギルベルトは人の悪意に絶望した。
もう二度と妻は迎えない。誰も救えないのはごめんだった。

だけどある元医師からヴァネッサの話を聞いて放ってはおけなかったのだ。
彼は夫人から金を積まれて虚偽の報告をしたことがあるそうだ。
『病でもないのに治療もせずに、言われるがまま子を産めないと決めつけた』
それがティンナール伯爵家のヴァネッサを知るきっかけだった。

ギルベルトはヴァネッサとどうにか接触を試みるも、ことごとく失敗に終わる。
彼女を救い出すためにギルベルトができることはたった一つだけだ。
ギルベルトは迷ったがヴァネッサを迎え入れることを決意したのだ。


「ヴァネッサは……少しずつ過去に向き合い、本来の彼女を取り戻しています。ティンナール伯爵家に会ったら、彼女の妹であるエディットに傷つけられたらどうしたらいい?」

「……!」

「ヴァネッサの笑顔がもし失われたら……」


ギルベルトの表情を見て、ヨグリィ国王は目を見開いた後に顎を押さえた。

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