【完結】悲劇の継母が幸せになるまで
その期待に応えようと努力を重ねてきたのだ。

だけど面倒なことは適度にサボっていた。
マナーや勉強、そんなものは爵位を継ぐ男性に押し付けてしまえばいい。
母だって、すべて父に任せきりだ。
そうしたってエディットならば許されるはずなのだから。

(わたくしは誰にだって愛されるのよ……ヴァネッサと違ってね)

エディットは一番でなければならない。
だからヴァネッサが自分よりも先に嫁ぐのは気に入らない。
怯える彼女に侍女たちと一緒にシュリーズ公爵の噂を全部吹き込んでやった。
ヴァネッサはおもしろいほどに怯えて、見ていて最高に面白かった。

どうせ惨めに捨てられて終わる。
ヴァネッサの人生は今まで通り、表に出ることはない。
そう思っていたのにエディットの予想を覆すことが起こってしまう。

見間違いでなければ、ヴァネッサはシュリーズ公爵に受け入れられていた。
王家御用達のブティックで何を買うのか考えたくもない。
今までエディットの足元にも及ばないヴァネッサが、公爵夫人として扱われる。
そんな現実を受け入れられるわけがないではないか。
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