【完結】悲劇の継母が幸せになるまで
(ありえないわよ……! ありえないっ、わたくしより上にいくなんてダメに決まっているわ)
ティンナール伯爵家に帰っても、エディットの怒りは収まらない。
部屋にあるものを、荒れる気持ちのまま投げ飛ばす。
壁にぶつかって砕け散る花瓶。壁から外れる絵画。
そんなエディットを見て、新しく入ってきた侍女たちはあらかさまに嫌な顔をする。
ヴァネッサがいなくなることで何かのバランスが崩れてしまったのかもしれない。
けれどエディット自身が変わるつもりはない。すべて周りが悪いのだ。
父も事業がなかなかうまくいかないと苛立っているが、いつも母とは違う香水の匂いがした。
甘ったるいその香りはエディットのものでもない。
なんだか鼻につく。
ヴァネッサに会った日から母はずっと気が立っている。
恐らくエディットと同じ気持ちなのだろう。
父の顔を見るたびに「どうしてヴァネッサが生きているのか」を問いかける口喧嘩が絶えない。
「どうしてあの子が生きてるのよ!? 死んだんじゃないのっ?」
「そんなこと、俺が知るわけないだろう!? ヴァネッサはもう他人なんだ」
「だけどっ、だけどあのゴミがわたくしたちより上だなんて! あっていいわけないでしょう!?」
「うるさいっ! お前とエディットのせいで今は大変なんだ! くだらないことでギャーギャー騒ぐな」
「……なんですって!?」
父は頭を抱えながら何かを考えて、母はヴァネッサを排除しようと必死だった。
ティンナール伯爵家に帰っても、エディットの怒りは収まらない。
部屋にあるものを、荒れる気持ちのまま投げ飛ばす。
壁にぶつかって砕け散る花瓶。壁から外れる絵画。
そんなエディットを見て、新しく入ってきた侍女たちはあらかさまに嫌な顔をする。
ヴァネッサがいなくなることで何かのバランスが崩れてしまったのかもしれない。
けれどエディット自身が変わるつもりはない。すべて周りが悪いのだ。
父も事業がなかなかうまくいかないと苛立っているが、いつも母とは違う香水の匂いがした。
甘ったるいその香りはエディットのものでもない。
なんだか鼻につく。
ヴァネッサに会った日から母はずっと気が立っている。
恐らくエディットと同じ気持ちなのだろう。
父の顔を見るたびに「どうしてヴァネッサが生きているのか」を問いかける口喧嘩が絶えない。
「どうしてあの子が生きてるのよ!? 死んだんじゃないのっ?」
「そんなこと、俺が知るわけないだろう!? ヴァネッサはもう他人なんだ」
「だけどっ、だけどあのゴミがわたくしたちより上だなんて! あっていいわけないでしょう!?」
「うるさいっ! お前とエディットのせいで今は大変なんだ! くだらないことでギャーギャー騒ぐな」
「……なんですって!?」
父は頭を抱えながら何かを考えて、母はヴァネッサを排除しようと必死だった。